研究概要 |
本研究の目的は、日本人の質的なインターネットの利用、すなわち「インターネット・コネクティッドネス」について調べ、社会文化的特徴が人々のインターネット利用に及ぼす影響を調査することである。この研究目的から、2006年4月にサーベイ調査を実施し、そのサーベイ結果をもって日本人がパソコンを通じてインターネットを使う場合と、携帯電話を通じてインターネットを使う場合とを詳細に比較分析した。そこで示されたことは、例えば(1)若者ならびに高所得層が幅広いインターネット活動に参加するしていることが明らかになった、(2)パソコンを通じてインターネットを使う場合、携帯電話を通じてインターネットを使う場合に比べて受信する電子メールの数が多く、またインターネットを使う時間もより長かった、(3)テレビ,インターネット,携帯電話の中で一つをあきらめなければならなかったらどんなメディアを選ぶか、という質問に対しては、携帯電話をあきらめるという回答が一番多かった、などである。 多様な社会文化的背景がインターネット利用に及ぼす影響をさらに具体的に調査するため、2006年5月には同様のサーベイを韓国でも実施した。現在、日本と韓国のサーベイ結果をもって各国のインターネット・コネックティドネスがどのように異なっているのか、その差異に関して分析を行っている。 また、成人を対象とした調査のほかに、2007年1月-3月には日本の中学生を対象として、インターネット及び他のメディアの利用状況に関するサーベイを実施した.この調査は国際比較研究の一環としてシンガポール,韓国,香港,台湾で同時に実施されたものである。日本では4ヶ所の中学校で約400人の学生を対象として実施した。
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