研究課題/領域番号 |
05F05438
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 (2007) 東京大学 (2006) |
研究代表者 |
御子柴 克彦 独立行政法人理化学研究所, 発生発達研究グループ, グループディレクター
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研究分担者 |
HUDEC Roman 独立行政法人理化学研究所, 発生神経生物研究チーム, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2007年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | IP_3受容体 / IRBIT / S-アデノシルホモシステイン加水分解酵素(SAHH) / メチル基転移反応(メチル化反応) / IP_3 / S-アデノシルホモシステイン / SAHH様蛋白質(KIAA0828) / メチル化シグナル / カルシウム / 神経細胞分化 |
研究概要 |
申請者はIP_3受容体に結合してIP_3により放出されるIRBITと新しく発見し、命名した。即ちS-アデノシルホモシステイン加水分解酵素(SAHH)に類似な構造をとり、IP_3により放出される。さてS-アデノシルメチオニンから蛋白質・DNA・RNAへのメチル基転移反応は反応産物S-アデノシルホモシステインにより強いフィードバック阻害をうけるので、これを加水分解するS-アデノシルホモシステイン加水分解酵素(SAHH)がメチル化反応の律速酵素となり阻害剤開発の対象とされてきた。今日まで既にSAHH阻害剤は抗ウイルス薬として開発され、これはマラリア原虫の増殖も阻害し抗マラリア薬としても期待されている。近年SAHH様蛋白質(KIAA0828)が癌抑制遺伝子p53のシグナル経路に関わることも報告され新薬ターゲットとして更に注目を集めている。 我々はSAHH活性の制御機構に焦点をあて、培養細胞抽出液中SAHH酵素活性を迅速に測定する方法を確立した。その結果、IRBIT及びKIAA0828がこのSAHH活性を抑制することを世界で初めて明らかにした。細胞にIRBIT/KIAA0828を過剰発現するとSAHH活性は抑制され、siRNAを用いたIRBIT/KIAA0828のノックダウンでは内在性SAHH活性が劇的に増加することを発見した。免疫沈降でIRBIT/KIAA0828がSAHHとヘテロ複合体を形成することから、SAHHの酵素活性に必須のホモ四量体形成を阻害し活性を抑制すると考えられる。IRBITは細胞刺激による細胞内IP_3濃度の上昇に伴いIP3受容体から遊離するとされる。我々の発見は細胞内セカンドメッセンジャーIP3/Ca2+シグナルとメチル化シグナルが結びつく可能性を示し、将来新しいタイプの新薬開発につながると考える。
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