研究課題/領域番号 |
05F05864
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
無機工業材料
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
舟橋 良次 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 主任研究員
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研究分担者 |
FLAHAUT Delphine 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 酸化物熱電 / 層状物質 / モジュール / インターカレーション |
研究概要 |
我々の研究室では熱電酸化物材料から構成される熱電モジュールを作製し、高い耐久性と優れた発電性能を報告してきた。用いた材料はp型がCa_3Co_4O_9、n型がLaNiO_3であるが、n型の性能が非常に低いため変換効率は1%程度であった。そこでn型材料をLaNio_3より高い変換効率を有するCaMnO_3に変えたモジュールの作製を計画した。CaMnO_3はCaサイトをLaやBi等3価以上の価数を有する元素で置換することで性能が向上する。そこでCaをLu、Yb、Tb、Nd、Hoといつた希土類元素で置換することで熱電特性の改善を試みた。その結果、Ca_<0.85>Lu_<0.15>MnO_3でこの物質群で報告されている最高レベルの特性が得られた。この原因について考察し、置換元素のイオンサイズと熱電特性との関係を見いだした。その結果、結晶格子の歪みを制御することにより熱起電力を一定に保持しながら電気抵抗を低減させ、同時に熱伝導度も下げることに成功した。これは熱電酸化物の設計の新たな指針になりうる成果である。 熱電酸化物のエレクトロニクス等への応用を考えた場合、モジュールの薄膜化が必要となる。特にポリイミド等ポリマーシート上へ成膜することが出来れば、コンピューター等電子機器からの廃熱回収への道が拓ける。我々の研究室ではこれまでに石英ガラス及びポリイミド基板を用いたCa_3Co_4O_9薄膜の作製に成功している。しかし膜内の結晶性の配向度、結晶性は必ずしも良好ではなく、ポストアニールが必要であった。そこで本研究では非晶質である石英ガラス及びポリイミド基板上にあらかじめCeO_2等の酸化物層を配向させ、その上へCa_3Co_4O_9薄膜をエピタキシャル成長させることを試みた。昨年度までにCeO_2の配向化には成功しており、今年度はCa_3Co_4O_9薄膜を作製した。
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