研究課題/領域番号 |
05J00759
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
日本文学
|
研究機関 | 大正大学 |
研究代表者 |
高橋 秀城 大正大学, 人間学部, 特別研究員(PD) (20459259)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 頼瑜 / 夢想 / 『真俗雑記問答鈔』 / 宥快 / 物語 / 談義 / 『束草集』 / 『住吉物語』 / 幼童稽古 / 印融 / 目録 / 修学 / 講式 / 『真俗雑記問答砂』 / 随心院 / 慧仁 / 仁空実導 / 二尊 / 三鈷寺 |
研究概要 |
真言僧侶における夢の位置付けを探るため、頼瑜(1226〜1304)僧正の『真俗雑記問答鈔』に見られる夢想の記事を検討した(「智山学報」第57輯(通巻71号)2008.3)。『真俗雑記問答鈔』には、頼瑜35歳から57歳ぐらいまでの約33年に亘る夢想が記録されている。本稿では、頼瑜にとって夢が単なる幻影ではなく、日々の修学の正当性を保証するものであり、聖教の生成へと掻き立てる原動力であったことを考察した。夢が僧侶の修学において重要な役割を担うものであることは、頼瑜に留まらず、真言僧侶の共通の認識としてあったことを指摘した。 また、頼瑜と並び称される高野山の学僧宥快(1345〜1416)の『宥快法印御物語之事』(国立国会図書館所蔵・1冊)を翻刻紹介した(「蓮花寺仏教研究所紀要」第1号/2008.3)。一つ書きによって62の「物語」(口伝)が記されている本史料は、宥快を取り巻く法門口伝の様相が知れる貴重な史料である。本稿では、本史料の特徴的な記述を考察しながら、こうした「聞書」や「口説」による伝受の様相が、宗派を越えて存するものであったことを論じた。 さらには、真言寺院に蔵される文学書を検討する一環として、成田山仏教図書館蔵『住吉物語』の翻刻を行った。本史料には高野辰之自筆の解題が貼付されている。本稿では、高野辰之解題に見られる『住吉物語』改作時期の問題を検討するとともに、本史料が、古本の面影を伝えている伝本との類似性を有している点などを指摘した。 その他、共同研究として『束草集』の訳註作業を行った(『佛教文化論集』第10輯/2007.12)。本史料には根来寺における願文・表白等が集められており、頼瑜の弟子である頼豪『束草集』の分析を通して、真言寺院における文学生成の場を明確化することを企図している。今回は巻3・4を報告であり、現在は継続して巻5・6を検討する段階に入っている。
|