2005年6月から7月にかけて、フィジー諸島共和国のビチレブ島にて、University of the South Pacificとフィジー博物館との共同調査で、ボウレワ・ラピタ遺跡を考古学的に発掘し、多くの重要な発見にいたったことが本研究の主要な実績である。そのおもな成果は次のとおりである。 1.広範囲に発掘をおこない、遺跡の範囲を確定した。 2.フィジーにおける最古の遺跡であることが判明した。 3.土器・石器・貝製品など豊富な出土器をえた。 4.16柱の埋葬人骨を発見した。 5.遺跡構造(住居・貝塚など)を把握した。 6.古地理学的調査から、過去の地形や海岸線を復元した。 こうした成果により、これまで多くの謎につつまれていたラピタ人の文化や社会、そして彼らの形質的特徴への理解が大きく前進したことはいうまでもない。その成果は国際的にも一級のものであると自負している。すでにその一部は2005年8月にトンガ王国で開催された国際学会"Oceanic Explovations"にて口頭発表・ポスター発表されたが、今後も順次、国際学会誌などにその成果を公表していく予定である。
|