研究課題/領域番号 |
05J02059
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
思想史
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田 世民 京都大学, 大学院・教育学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 懐徳堂 / 無鬼論 / 中井竹山 / 中井家歴代襄事録 / 喪祭私説 / 居諸録 / 儒礼受容 / 近世思想史 / 崎門派 / 浅見絅斎 / 文公家礼 / 水戸藩 / 喪祭儀略 / 徳川光圀 / 朱舜水 / 明文化 / 喪祭小記 / 家礼師説 / 喪祭礼 / 火葬 / 排仏 / 朱子学的死生観 |
研究概要 |
懐徳堂の儒礼受容について中井家の家礼実践および懐徳堂の儒礼祭祀とその無鬼論の関係を中心に検討した。そこでは、大阪大学附属図書館懐徳堂文庫、および京都大学附属図書館蔵の史料を使用し、その解読の成果を駆使して実証的な研究を行なった。具体的には、大坂の町人層を基盤とした懐徳堂知識人が市井の中に生きながら、いかに喪祭礼の実践に取組んだのかを解明した。中井家代々の葬祭儀の記録「中井家歴代襄事録」を分析し、中井竹山の父甃庵著『喪祭私説』に施した注記に着目して、懐徳堂知識人の排仏ながら世俗との調和を図る家礼実践を解明した。また、懐徳堂知識人が儒礼祭祀をいかに実践したのかを、『喪祭私説』と「中井家歴代嚢事録」および並河寒泉の日記『居諸録』をもとに解明するとともに、懐徳堂知識人の儒礼祭祀活動の「日常性」を指摘した。そして、懐徳堂知識人の「無鬼論」は世間の俗信的な「人情」を克服し、祖先を敬慕し祭る心情の純粋性を求めようとする「無鬼こそ祭祀」の主張だったことを明確にした。さらに、今年度のもっとも大きな成果は学位論文を完成させたことである。いままで発表した論文と新たな研究成果をもとに、大きく『近世日本における儒礼受容の研究-『文公家礼』をめぐる儒家知識人の思想実践を中心に-』というテーマでそれをまとめた。近世思想史研究において、「礼」についてのまとまった研究がなかった中で、本論文は新しい近世思想史像の提示に与したと考えている。そこでは、近世日本の儒家知識人の儒教儀礼規範書『文公家礼』に対する様々な受け止め方を分析し、「家礼」なかでも喪祭礼に関わる思想的課題と向き合った知識人たちの思想的位相を明らかにした。
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