研究課題/領域番号 |
05J02092
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
ヨーロッパ語系文学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
向井 直己 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2007年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | ユダヤ学 / ドイツ思想史 / 近代 / Heinrich Graetz / Moses Mendelssohn / Siegmund Freud / ハスカラー / アメリカ・ユダヤ人 / ユダヤ思想史 / Hermann Cohen / H.Steinthal / ドイツ民族思想 / 歴史哲学 / 民族同化 / 言語哲学(19世紀) / 思想史 / ドイツ史 / 新カント派 / 啓蒙と同化 / 国際情報交換 / ドイツ:イスラエル |
研究概要 |
本年度は、前年度のユダヤ学の形成に関する調査・研究を継続しつつ、それを主導した哲学的理念を挟り出すことに研究の目的があった。一方、前年度のニューヨーク調査から、研究に「アメリカ」への視点を織り込むことなしに、近代ヨーロッパとユダヤとの関係を記述することができないことがわかってきた。そこで、本年度の研究はあくまで歴史哲学に焦点をおきつつ、歴史家たちとアメリカ合衆国、および合衆国内のユダヤ・エスニシティとの関係を探るかたちで進められた。 まず、現在のユダヤ学の基礎を築いたJudisch-Theologisches Seminar in Bresrauのスタッフの中から、H.Graetzに焦点を当て、彼の歴史記述の基礎理念を倫理学的視点から照らし出したものとして、6月に「ムネモシュネサの術-H.グレーツとユダヤ歴史哲学」と題し、日本ドイツ文学会春季研究発表会にて口頭発表を行った。この倫理学的観点の哲学的起源を、M.Mendelssohnの著作にまで遡り、ユダヤにおける前近代/近代の分水嶺を「想起という行為」のなかに見出してゆくものとして、7月、京都大学人文科学研究所「啓蒙の運命」共同研究班にて、「ユダヤ史の解体と再構築」と題する発表を行った。 19世紀のユダヤとアメリカの関係を整理するものとしては、11月に神戸ユダヤ文化研究会にて「ユダヤ史の形成とアメリカ・ユダヤ人の"歴史"と題し、ユダヤ史形成とユダヤ人らのアメリカ入植との相互作用を取り扱う研究発表を行った。 このほかに伝統と切り離された近代ユダヤ人のユダヤ史観を見つめなおす試みとして、S.フロイト『モーセという男と一神教』に光を当て、10月にはフロイト思想研究会にて研究発表を行った。当時のユダヤ史研究、聖書研究等との関連から、伝統の概念の近代的機能を、これまでとは違った側面から再検討している。
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