研究課題/領域番号 |
05J02350
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
下條 博美 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 神経発生 / 神経幹細胞 / Hes / ニューロン / グリア細胞 / マイクロアレイ / 増殖 / 分化 |
研究概要 |
神経発生過程においては、神経幹細胞から厳密にコントロールされたタイミングでまずニューロンが産生され、続いてグリア産生が起こる。このニューロン産生からグリア産生に至る過程において神経幹細胞は刻々とその性質を変化させる。この変化は転写因子や細胞外因子に対する受容体の発現変化などが想定されているが、幹細胞を選択的に回収する手段がなく、性質の変化を解析することは困難であった。bHLH型転写因子であるHes遺伝子はこれまで、神経幹細胞に強く発現しており、神経分化を抑制し神経幹細胞の維持に関与していることが示されている。 本研究では、Hesプロモーター下に半減期の短いEGFPをつなぐことにより神経幹細胞を可視化したトランスジェニックマウスを用いて、神経幹細胞の性質を制御する分子メカニズムの解析を行う。このトランスジェニックマウスでは、脳室周囲帯の未分化な細胞でのみEGFPの発現が認められており、非対称分裂時には幹細胞としてとどまる娘細胞のみがマークされる。このトランスジェニックマウスから様々な発生段階の神経幹細胞を選択的に回収し、マイクロアレイ等を用いて遺伝子発現の網羅的解析を行い、刻々と変化する幹細胞の性質を制御する遺伝子および因子の探索を行う。神経幹細胞の増殖・分化メカニズムが分子レベルで明らかにされれば、神経発生機構および再生機構の解明に大きな前進をもたらすものとなる。 現在、幹細胞増殖期、ニューロン産生期、グリア産生期のそれぞれの発生段階のトランスジェニックマウスより選択的に細胞を回収し、DNAマイクロアレイを用いた遺伝子の網羅的解析中である。各発生段階に特異的であると考えられるいくつかの候補遺伝子があげられ、これら候補遺伝子の発現パターンの解析および、in utero electroporation法を用いて強制発現させ各遺伝子のin vivoにおける機能を引き続き解析中であり、各発生段階における神経幹細胞の性質の特徴および機能因子の解明を目指している。
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