配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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研究概要 |
地上が輻輳状態にある我が国の都市域では,地下空間が積極的に利用されている.新たな地下開発に際してはトンネル掘削や開削工事等が行われるが,都市部では既に地中・地表に構造物が存在する場合が多く,掘削が周辺構造物に及ぼす影響の予測が重要となる.しかし,現行の設計ではトンネルが単独で掘削される状況を主に想定しているため,トンネルと周辺構造物の相互作用を力学的に考慮した予測法はまだない.以上の状況を鑑みて,本研究ではトンネルと既設構造物との相互作用を基礎的な立場から検討した. まず,トンネルの形状,構造物の相対的な位置関係や施工順序など主要な因子を考慮した円形トンネル掘削模型実験により,トンネルと周辺構造物の位置関係や離隔,土被り深さ,トンネル・盛土幅,既設基礎形式・杭長など種々のパラメータがトンネルと近接構造物との相互作用メカニズムに及ぼす影響を定性的に検討した。その結果,トンネル周辺の地表に構造物基礎が存在する場合,トンネルに作用する土圧や地盤の変形はトンネル中心軸に対して左右非対称に生じ,トンネル掘削時に生じた地盤の変形は構造物基礎の方向に進展することがわかった.また,トンネル掘削による影響は既設基礎の形式によって異なり,既設杭基礎の杭長にも大きく影響を受けることがわかった.さらに,トンネル内空の変形モードの違いによってトンネル周辺土圧や周囲の地盤の変形特性が異なるという知見が得られた.さらに本研究では,円形トンネル掘削模型実験に対して数値シミュレーションを実施し,トンネルと近接構造物の力学的相互作用の定量的評価を試みた.その結果,数値解析は模型実験の結果を精度よく捉えることから,トンネル周辺における力学現象は本数値解析によって再現可能であり,トンネルの掘削過程や寸法などより現実的な条件を考慮した挙動予測を行う際には,解析的な検討が有効であることが示された.
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