研究課題/領域番号 |
05J02624
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
妻木 進吾 同志社大学, 社会学部, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ホームレス / 野宿者 / 都市下層 / 社会的排除 / 自立支援 / 生活構造 |
研究概要 |
本研究は、野宿者と野宿者に連なる人々を都市下層とし、彼らが位置する社会構造と、主観的意味世界の連動関係において把握すること(生活構造変動分析)によって、その析出過程・析出メカニズムを明らかにすることを目的としている。 本年度は、博士論文「野宿者の析出と固定化に関する社会学的研究」を提出した。本論文では、90年代の自立支援策が浮かび上がらせることになった、支援を拒否し、野宿し続けるというと野宿者の選択について、彼らの生活構造が、状況を自力で生きていくという「生活の型」と、野宿に至る生活歴を通して培った「労働による自立」という価値意識との複合体であるが故に生じる生活構造の抵抗であることを明らかにした。労働市場から排除・反発され続け、就労による脱出が不可能であると考える野宿者にとって、行政が用意する「自立」のルートに乗ることは、「一生、福祉の世話になって生きること」を意味する。「労働による自立」という価値に同調し続けながら生きようとする人々にとって、その価値実現が可能なのは、野宿生活しか残されていないのである。市民社会において同調を期待される価値からの逸脱として理解される野宿者の選択が、市民社会において同調を期待された「労働による自立」という価値に同調し続けるが故になされるという逆説をそこに見いだすことができる。 また、近年、「フリーター」層の「ホームレス化」ついてしばしば指摘されている。若年不安定就業層を含めた形で都市下層の形成メカニズムを明らかにするための基礎的作業として、2007年5月の関西社会学会において、「若者と社会的排除(2)=大阪市若者調査から2.家庭・学校生活から職業生活への移行」を報告し、『年報寄せ場』に「誰がフリーターになるのか?-フリーターの析出と社会的不平等の世代間再生産」を執筆した。
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