研究課題/領域番号 |
05J04351
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
林産科学・木質工学
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研究機関 | 独立行政法人森林総合研究所 |
研究代表者 |
小林 正彦 独立行政法人森林総合研究所, 複合材料研究領域, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 液化木材 / オゾン処理 / 天然系接着剤 / 熱硬化性樹脂 / ファイバーボード / パーティクルボード / ボード性能 / エポキシ樹脂 / 熱硬化性樹脂接着剤 / ガラス転移領域 / 木質ボード / セルロースナノファイバー |
研究概要 |
昨年度までの研究で、液化木材の粘度を低下させることにより、液化木材樹脂をスプレーガン塗布が可能なボード用接着剤に転化できることが明らかとなっている。本年度は、ボード性能の向上を目的として芳香核を有する油性のエポキシ化合物架橋剤を用いたファイバーボードを製造し、架橋剤添加量がボード性能へ与える影響について検討を行った。ボード性能を評価した結果、油性のエポキシ化合物架橋剤を用いることにより、実用に耐え得る性能を持ったボードの製造が可能であることを明らかとなった。さらに、架橋剤を用いず液化木材を単独で接着剤として用いてある程度の性能を有するファイバーボードを製造が可能であることを明らかとした。液化木材/エポキシ樹脂接着剤では、エポキシ化合物の添加量は接着剤樹脂重量の20〜30%を占めているため、エポキシ化合物を用いることなしに実用に耐え得る性能を持った接着剤の調製が可能であれば、コストの面からも、石油資源の部分代替という面からも大きな利点となる。そこで、液化木材を単独で接着剤として用いたパーティクルボードの製造に関し種々の検討を行った。また、ボード性能の向上を目的どして、これまで液化の前処理として行っていたオゾン処理を生成物に対して行い、オゾン処理液化木材樹脂接着剤を調製し、ボード用接着剤としての評価を行った。オゾン処理により、液化木材中の縮合残渣が低分子化し、ハンドリング性能が向上した。オゾン処理量の増加に従い、製造したパーティクルボードの物性は向上し、JIS A 5908で定められた18タイプに要求される性能を満たす値が示された。特に、はく離強さはエポキシ化合物架橋剤を用いた系より高い値を示した。また、耐水性に関しても改善が見られた。熱圧時間を短縮した場合には、曲げ強さ、はく離強さに関しては強度が維持されたが、耐水性が劣ることが明らかとなった。液化木材のみを接着剤として用いることで、木質ボードの製造が可能であり、液化木材をオゾン処理することにより接着性能が向上することが示されたことは、新規の天然系接着剤としての実用の可能性を示唆しており、今後、さらなる研究の発展が期待できる。
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