研究課題/領域番号 |
05J04494
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
社会心理学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
針原 素子 東北大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 文化比較 / 自己卑下 / 自己呈示 / 社会ネットワーク / 国際情報交換 / 韓国 / 文化 / シミュレーション / 面接調査 / 自己高揚 / モデル構築 / 郵送調査 |
研究概要 |
本研究の目的は、文化による様々な心理的傾向や行動の違いについて、社会ネットワークを基盤にした体系的理論を構築し、実証することである。その1つとして、日本人に見られる自己卑下的自己呈示は、人々が近隣集団内部で多くの交換を行い、既知関係が多い社会において適応的であることを示した博士論文(本年度4月に受理)に関連し、投稿論文の執筆・投稿準備を行った。また、18年度に行った郵送調査に基づき、自己卑下呈示という行動だけでなく、平等分配志向、外的環境に自分を合わせる2次的コントロール傾向、失敗を避けるよう動機づけられる防衛焦点傾向など、従来アジア人の特徴として指摘されてきた様々な心理的傾向が、ネットワークの閉鎖性・固定性に影響されていることを明らかにし、社会心理学会において発表した。さらに、これらの説明モデルが、国を超えた文化差の説明にも有効であるかを検証するため19年度に行った韓国面接調査の精緻な分析を行った。その結果、韓国では、日本とは反対に、人々のネットワークが居住地域の外に開放的な地域の人ほど自己卑下呈示を行うが、それは、地域を超えて全国に広がる血縁関係を多く持つ人ほど自己卑下呈示を行っているためであることが分かった。つまり、日本では地縁、韓国では血縁関係の影響力が強いという意味で結果は異なるが、固定的なネットワークを持つ人ほど自己卑下呈示を行うという意味では、統一的に解釈できる結果であり、国際比較文化心理学会において発表した。また、人々が形成するネットワーク構造がなぜ社会によって異なるのかについて検討するため、韓国調査と同一項目を入れた郵送調査を東京都武蔵野市で行い(計画サンプル1000名)、さらに、韓国大学生120名を対象に、ネットワークを詳細に記述してもらう質問紙調査を行った。これらの結果は、今年度の社会心理学会・日本グループダイナミックス学会合同大会で発表予定である。
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