研究課題/領域番号 |
05J04550
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大森 俊洋 東北大学, 先進医工学研究機構, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 生体材料 / Co合金 / マルテンサイト変態 / 形状記憶効果 / 形状記憶合金 / 磁気変態 / fcc / hcp変態 |
研究概要 |
現在用いられている生体用金属材料はステンレス鋼、Ti及びTi合金、Co-Cr合金の3種に分類できる。この中で、Ti-Ni合金はその形状記憶特性を利用して生体材料として利用されているが、Niのアレルギー性が問題となっている。そのため、より生体安全性の高い形状記憶合金の開発が要求されている。一方、Co-Cr合金は耐食性・耐摩耗性に優れていることから長年、生体材料として使用されている実績があり、安全性は高い。そこで、本研究は、能動カテーテルやステントなどの医療用材料への応用を見据えた生体安全性の高い新しいCo-Cr-Al基形状記憶合金を開発することを目的とする。本年度の研究業績は以下の通りである。 生体材料においては、ガイドワイヤなどの高いヤング率を要求されるものから生体骨との親和性を高めるために低いヤング率を要求されるものまで様々であり、ヤング率が重要な物性値のひとつである。そこで、Co基合金の組成と加工状態とヤング率の関係について、曲げ試験、引張り試験、ヤング率測定装置などを用いて調査を行った。本Co基合金は積層欠陥エネルギーが低く、hcpマルテンサイトを利用することで低いヤング率を得ることが可能であることがわかった。これは冷間圧延などの冷間加工により制御することも可能で、同時に、大きな弾性変形能を示すことも明らかになった。 また、Cr、Si、Ir等のhcp安定化元素とマルテンサイト変態や形状記憶特性との関係について調査を行った。その結果、これらのhcp安定化元素は、予想されたとおりマルテンサイト変態温度を上昇させ、400℃での安定的な形状回復を得ることができた。この結果は、本Co基合金の高温形状記憶合金としての可能性を示しただけでなく、生体材料としての適切なマルテンサイト変態温度の設計をするための合金設計に役立つと考えられる。
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