研究課題/領域番号 |
05J04929
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
西山 宝恵 東北大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
2,405千円 (直接経費: 2,405千円)
2009年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2008年度: 452千円 (直接経費: 452千円)
2007年度: 452千円 (直接経費: 452千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 学説史 / タルコット・パーソンズ / フランソワ・ブリコー / 理論社会学 / パーソンズ / 法社会学 / 個人主義 / デュルケム / 宗教社会学 |
研究概要 |
パーソンズの「制度化された個人主義」概念は60年代以降の社会情勢や認識枠組みの変化と密接に関連している。そこで、本研究はフランソワ・ブリコーのパーソンズ解釈に着目してきた。ブリコーは、パーソンズ理論と法理論との接点に着目し、価値の多様化が一層すすんだ時代において有効な理論としてパーソンズ理論を位置づけている。ブリコーによればパーソンズは自らの理論を演繹的ではなくコモンロー的な性質をもつものとして設定した。これについて理解を深めるために、パーソンズが参加していた法社会学セミナーの講義録を読解した。また、ブリコーがパーソンズ理論の「性質」に解釈の力点を置いた意図については、ブリコーの著作Le bricolage ideologiqueを読むことで明らかにした。彼は、5月革命を経た70年代以降の社会におけるパーソンズ理論の有効性を論証しようとした。すなわち、演繹的に理論を構築した啓蒙哲学者たちの時代から、科学性とイデオロギー性のはざまで揺れ動いたマルクス主義と実存主義の時代をへて、いまや「コモンロー的」に構築される知的ブリコラージュが戦略的に有効である、と主張した。「教養やエスタブリッシュメント」が解体され、専門的知識の正統性がゆらぎ、個々人が多様な価値を抱く現代社会において、個々人がブリコルールになることが求められるようになってきたという。ブリコーは、そのような時代においてサルトルやアルチュセールとは対比的かつレヴィ=ストロースと親和的な立場として、パーソンズの「制度化された個人主義」論を位置づけた。
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