研究課題/領域番号 |
05J05208
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
地球宇宙化学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
田中 万也 広島大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 希土類元素 / カルサイト / アラゴナイト / XAFS法 / 石灰岩 / 古代海水 / XAFS / 炭酸カルシウム / laser ablation ICP-MS |
研究概要 |
最終年度である本年度は炭酸塩中の希土類元素の存在状態に着目し、以下の二点に関して重点的に研究を進めた。 1.カルサイト及びアラゴナイトに取り込まれた希土類元素の局所構造と分配係数の関係 石灰岩の多くは生物性炭酸塩を起源とし、続成作用の過程でそれらが再結晶化される際に希土類元素の再分配及び濃集が起こる。カルサイトとアラゴナイトは同質多形の関係にあり、天然における両者の希土類元素存在度は大きく異なる。そこで、結晶構造の違いと分配係数の関係を明らかにするために人工的に希土類元素を添加したカルサイトとアラゴナイトを合成し、XAFS(X線吸収微細構造)測定を行った。XAFS測定結果から求められた希土類元素と最近接酸素原子の原子間距離は、希土類元素がアラゴナイトに比べてカルサイトの結晶構造により適合していることを示唆した。このことはカルサイト-水溶液間の分配係数がアラゴナイト-水溶液間のそれに比べて大きいことと調和的であると言える。 2.XANES法を用いた天然石灰岩試料中の希土類元素のホスト相の決定 これまで海成炭酸塩の希土類元素分析では試料の選別や前処理段階でのクリーニング等により不純物を取り除いてきた。そうした試料から得られた分析結果は、炭酸塩に取り込まれている希土類元素の存在度を示していると考えられてきた。しかしながら、そのことを直接的に証明した研究はこれまでに報告されていない。本研究では希土類元素の代表としてYを添加したカルサイトと天然石灰岩試料のY-K吸収端XANES測定を行った。人工試料と天然試料のXANESスペクトルは良く一致し、希土類元素が天然炭酸塩に取り込まれていることが明らかとなった。 以上の研究成果は炭酸塩試料から推定した過去の海水の希土類元素存在度の信頼性を議論する上で必要不可欠であり、本研究課題を大きく進展させるものである。
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