研究課題/領域番号 |
05J05336
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
美学・美術史
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 (2007) 広島大学 (2005-2006) |
研究代表者 |
川口 佳子 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | C.R.マッキントッシュ / 意匠美学 / 英国 / 透過性 / インテリア・デザイン / C.R.Mackintosh / デザイン / 手法論 / Charles Rennie Mackintosh / 建築 / 近代建築 / 透明性 |
研究概要 |
本研究は、C.R.マッキントッシュのデザイン手法における「透過性」という特徴が、作品と受容者の経験にもたらし得る、広義の意匠美学を探るものである。本年度は当初の計画に従い、以下のような研究を行った。 (1)「透過性」の社会的意義に関する研究 昨年度に引き続き、マッキントッシュのインテリア・デザインにおける「透過性」という特質の、社会的意義(当時の倫理的価値観や美意識への適合の度合い)を、一次資料をもとに明らかにする研究を行った。このために、ティールーム建築と住宅建築に関する一次資料の収集と解読に特に力を入れ、2007年8月末から約三週間、マッキントッシュの作品が残る現地グラスゴーに赴き調査を行った。グラスゴー大学ハンタリアン・アートギャラリー、グラスゴー美術学校他の研究機関において、各機関の研究者の協力のもと、当時の記録写真、新聞・雑誌記事、文学作品(マッキントッシュ作品に言及したもの)等について、これまで収集できなかったものを得ることができた。以上の成果の一部は、日本感性工学会感性哲学部会研究発表会において発表した。 (2)内壁面および間仕切りに関する調査・研究 本年度より、「透過性」という特質を、マッキントッシュの空間構成における特徴の一つとして相対化して検討することとした。なぜならば「透過性」という特徴は、意匠のモチーフとして汎用されるようなものではなく、主には内壁面や間仕切りなど、空間構成を決定づける要素の特徴として存在するためである。よって、マッキントッシュの手による内壁面と間仕切りの意匠に関連する一次資料(記録写真、図面、建築家自身の叙述等)を、二次資料の情報もふまえながら体系的に再整理することを開始した。これにより、建築家自身が「透過性」という意匠をいかにうみだし、インテリア・デザインに適用していったかという制作上の文脈を把握できよう。この成果の公表は、美学会全国大会における報告、意匠学会大会における発表として行った。
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