研究課題/領域番号 |
05J05561
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
山中 洋幸 金沢大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 薬物代謝学 / 薬物代謝酵素 / グルクロン酸抱合 / 蛋白相互作用 / UDP-グルクロン酸転移酵素 / 代謝酵素 |
研究概要 |
昨年度までに、ヒトUGTIA分子種がヘテロダイマーを形成し、これによりUGT酵素活性に影響を与えることを明らかにした。今年度は、フェニトインの主代謝物である4'-HPPHのグルクロン酸抱合活性についてヘテロダイマー形成の影響を検討した。また、ヒト肝における主要なUGT2B分子種であるUGT2B7とUGTIA分子種との蛋白相互作用についての検討も行った。 1.4'-HPPHのグルクロン酸抱合反応 4'-HPPHはキラル中心を持ち、(S)体、(R)体の2種類が存在する。これらのグルクロン酸抱合反応を触媒するUGT分子種について検討したところ、これらは共にUGTIA1およびUGTIA9により触媒されるが、(S)体はUGT1A9の、(R)体はUGT1A1の寄与が大きいことを明らかにした。次に共発現系を用いて酵素活性を検討し、UGT1A1活性ではUGT1A4とのヘテロダイマー形成によりS50値が上昇し、UGT1A9活性ではUGT1A6とのヘテロダイマー形成によりS50値が上昇、Vmax値が低下することを明らかにした。また、この影響は(S)体、(R)体でほぼ同様であったことから、ヘテロダイマー形成による酵素活性への影響には基質の化学構造など何らかの法則がある可能性が示唆された。 2.UGT1AとUGT2B7とのヘテロダイマー形成に関する検討 HEK293細胞にUGT1A1、UGT1A4、UGT1A6またはUGT1A9とUGT2B7を共発現させた安定共発現系を構築した。これらを用い免疫沈降法、熱安定性試験を行い、UGT1A分子種はUGT2B7ともヘテロダイマーを形成することを明らかにした。また、ヘテロダイマー形成の酵素活性への影響について検討したところ、UGT1A1とUGT2B7とのヘテロダイマー形成により、UGT1A1特異的エストラジオールグルクロン酸抱合活性のS50値が減少し、Vmax値とHill係数が増加することや、UGT2B7特異的モルヒネグルクロン酸抱合活性のKm値が減少し、Vmax値が増加することなどを明らかにした。 本研究において明らかにしたUGTのダイマー形成はヒト臓器においても起こっている可能性があり、ヒトにおけるグルクロン酸抱合反応を予測する際にはUGT蛋白相互作用を考慮する必要があることが示唆された。
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