研究課題/領域番号 |
05J06469
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
江嵜 啓祥 岐阜薬科大学, 大学院薬学研究科, 特別研究員DC2
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 重水素 / 同位体標識 / H-D交換反応 / Pd / C / 重水 / 水素ガス / 複素環化合物 / 酸化還元 / 標識 / Pt / 核酸誘導体 / アミノ酸 |
研究概要 |
1、不活性なアルキル炭素上でのH-D交換反応 最近当研究では、水素雰囲気下、Pd/C触媒による重水を重水素源とした室温下でのベンジル位選択的H-D交換反応を確立している。この反応を加熱還流条件下実施したところ、ベンジル位以外の不活性炭素上でもH-D交換反応が効率よく進行することを見いだした。また、本反応はカルボン酸やエステル、アミド、第一級アルコール、エーテルなど様々な官能基を有する基質に適用可能であることを示した。さらに、重水素化率は反応温度の上昇や同一反応を繰り返すことで向上することを明らかとした。 2、複素環化合物の重水素標識化 本重水素標識化法の適用拡大を目的として、インドールやピリジン、ピリミジン骨格等を有する複素環化合物を対象として検討したところ、いずれも複素環炭素上で効率よく重水素化が進行した。また、スルファメタジン(合成抗菌剤)やアロプリノール(痛風治療薬)などの生物活性物質の多重重水素化にも成功した。これらの標識体は、残留濃度定量用内部標準物質として実際の適用が検討されている。 3、第2級アルコールとケトンの重水素標識化法 第二級アルコールや脂肪族ケトンを基質に用いた場合には、いずれも重水素化された第二級アルコールとケトンの混合物が得られることを見いだした。通常、Pd触媒による第二級アルコールのケトンへの酸化反応は酸化剤を必要とする。また、Pd/Cは脂肪族ケトンのアルコールへの還元反応を触媒しないことが知られている。しかし、本研究結果は、第二級アルコールの酸化反応と脂肪族ケトンの還元反応がPd/Cによる接触還元条件下で進行していることを示しており興味深い知見である。また、重水素化メカニズムについて詳細に検討した結果、この第二級アルコール-ケトン間での新規酸化還元反応に伴う重水素化は、ケトン体を介して進行することを明らかとした。
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