配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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研究概要 |
本研究は,山陰地方の汽水湖沼堆積物を用いて,完新世における自然環境変動の検出と人間活動史との関連を解明することを目的とするものである.平成19年度は,これまでに出雲平野および宍道湖,神西湖,中海で掘削されたボーリングコア解析を通じて,完新世における汽水域の形成と平野の地形発達の関連を堆積学的および地球化学分析によって詳細に明らかにすることができた.とくに,完新世以降の出雲平野の地形発達史を,高精度に復元できたことは本研究によってはじめて成し得たことである.これの成果を論文としてまとめることができた.また,近過去の環境復元研究では,中海および宍道湖を対象として,複数のショートコアを採取して,過去100年間の環境変動の検出を試みた.この研究成果の特筆できる点として,富栄養化が少なくとも1950年には生じていていること,本庄工区の近年の底質環境は改善されつつあることの新知見を得ることができた.さらに,今年度から着手した秋田県一の目潟コアの研究では,世界的にも類を見ない過去三万年間の連続した年縞堆積物を発見した.この年縞堆積物の解析により,東アジアの環境変動を高精度に復元できる手がかりをつかんだ.本年度中は,イニシャルレポートとして研究成果の基礎的な段階を報告した.今後,一の目潟コア研究は,重点的に進めていくことになり,これら研究成果は,国内外の学会等で講演していくとともに,また現在国際誌に投稿中である.
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