研究課題/領域番号 |
05J07257
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
永井 孝志 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | アオコ / Microcystis / 鉄 / 増殖モデル / 増殖速度 / スペシエーション / ボルタンメトリー / AGP試験 |
研究概要 |
アオコ(Microcystis)の増殖が鉄によって制限されている可能性がいくつか報告されてきている。そこで各藻類種の鉄に対する詳細な増殖特性を把握することが重要であるが、淡水の藻類ではこれまで研究例が無かった。人工培地を用いた純粋連続培養系で、鉄の濃度を変化させながら培養を行い、増殖速度、鉄濃度、鉄の体内濃度を測定した。さらに鉄の取り込み速度を異なる飢餓状態において測定した。これらの増殖特性からそれぞれの種の増殖をモデル化し、鉄制限時におけるモデルによるシミュレーション結果と実際の培養実験の結果とよく一致することを確認した。また、MicrocystisとPlanktothrixの鉄制限時における種間競争をシミュレーションしたところ、Microcystisが優占するという結果が得られた。 実際の現場における藻類の増殖を制限する要因を探ることは非常に困難である。特定の藻類種の現場増殖速度を測定することは難しく、培養期間を必要とせず、特定の種の、生理状態を確実に反映した増殖速度の測定方法の開発が求められてきた。そこで、環境中から特定の藻類種のRNAのみを増幅して元々あった存在量を定量し、細胞内のRNA含量を増殖速度の指標とする手法が開発されてきている。 この方法を用いて、河川水中からMicrocystisのみのRNAを抽出し、その存在量から増殖ポテンシャルを評価する調査を行った。このRNA含量を増殖速度の指標とする方法の有効性を確認し、ある毎年アオコが発生するある用水路におけるMicrocystisの増殖制限要因として、最も影響の大きかったのは日射量であることを明らかにした。
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