研究課題/領域番号 |
05J07273
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
応用分子細胞生物学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山形 一行 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 糖尿病 / フォークヘッド型転写因子 / タンパク複合体 / 翻訳後修飾 / アルギニンのメチル化修飾 / リン酸化修飾 / ユビキチン化修飾 / アポトーシス / 酸化ストレス |
研究概要 |
フォークヘッド型転写因子Foxo1はインスリン依存的に糖新生律速酵素の発現を制御する転写因子であり、肝におけるFoxo1の機能亢進が糖尿病を惹起し、一方糖尿病モデルマウスでFoxo1の機能を減弱させるとその病態が改善することがマウスで証明されている。一方、細胞を用いた研究から、Foxo1は様々なタンパクと相互作用することでその機能が調節され、それが上記の表現形に寄与していると推察されている。 近年、転写因子には様々な因子が複合体を形成され、それが転写因子の多様な機能制御を担っていることが明らかにされつつある。我々は、培養細胞内でFoxo1にたくさんのタンパクが結合する(未発表)ことを見出しており、Foxo1においても複合体が形成され、それが機能制御を担っていることが想定される。しかしながら、Foxo1が、生体でいつ、どこで、どのような複合体を形成し、それがFoxo1をどのように制御しているのか、全く明らかにされていない。 このような背景の下、本研究では以下の知見を得た。 1)Foxo1結合因子としてヒストンアルギニンメチル化酵素であるPRMT1を同定した。 2)驚くべきことにこのPRMT1はFoxo1そのものをメチル化した。 3)PRMT1によるFoxo1のアルギニンメチル化はその機能抑制に重要な役割を果たしているFoxo1のリン酸化を阻害することを見出した。すなわち、Foxo1の「メチル化スイッチ」はFoxo1の「リン酸化スイッチ」をOFFにする働きがあることが分かった。 4)Foxo1のメチル化はリン酸化がもたらす様々なFoxo1の「抑制スイッチ」、すなわち、Foxo1のリン酸化依存的なユビキチン化や細胞質への局在をOFFに出来ることが判明した。 5)PRMT1によるFoxo1のメチル化がFoxo1の転写活性を促進させ、その結果、酸化ストレス依存的なアポトーシス誘導を促進した。 現在、本研究の投稿準備中である。
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