研究課題/領域番号 |
05J07684
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生物分子科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
犬塚 俊康 名古屋大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 超炭素鎖化合物 / パリトキシン / X線小角散乱 / フラーレン / 原子間力顕微鏡 / 二量体 |
研究概要 |
海洋生物からは特異な構造や生理活性を持つ有機化合物が多数発見されている。中でも、官能基化された炭素原子が一本鎖で連なった「超炭素鎖化合物」と呼ばれる化合物群は、なぜ海洋生物が巨大で複雑な化合物を産生する必要があるか、という点で興味深い。超炭素鎖化合物の活性発現機構を解明するため、腔腸動物イワスナギンチャク毒パリトキシンを用いて、溶液中の分子の立体配座を明らかにすることを目指し研究を行った。 そこで、溶液中の分子状態を直接観察できるX線小角散乱測定を行った。その結果、パリトキシンは水溶液中で二量体として存在しており、アミノ基をアシル化すると、単量体となることが判明した。また、分子内に配座の固定された部分と揺らいでいる部分とが混在することが昨年度までに明らかにできた。 溶液中の分子形状をより詳細に知るためにモデルシミュレーションを行った。その結果、N-アセチルパリトキシンはコの字状の形をとることが分かった。また、パリトキシンは、N-アセチルパリトキシンとほぼ同じ形状の分子が二個並んだ状態であった。両者の違いはアミノ基部分のみであるため、この部分が分子の会合に関与していることが示唆された。 一方、超炭素鎖化合物の真の生産者は海洋生物に共生する微生物であると言われる。よって、その微生物の培養すれば、更なる機能解明研究へ向けて量的供給が可能となると同時に、微生物における超炭素鎖化合物の存在意義を理解する研究も行うことができる。 海藻マクリに付着する渦鞭毛藻の抽出物に、分子量5000を超える化合物の存在を確認できた。そこでこの渦鞭毛藻を培養し、分子量を指標に分離を行った。目的化合物が非常に不安定であったため、短段階で精製する手法を確立した。現在、核磁気共鳴スペクトル分析を中心として分子量5000を越える化合物の構造解析を行っており、今後、合成化学的手法などと合わせて化学構造の決定を目指す。
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