研究課題/領域番号 |
05J07764
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
植物生理・分子
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
塚越 啓央 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 糖栄養源 / 胚発生 / 転写抑制 / シロイヌナズナ / 油脂合成 / 転写抑制因子 / 糖シグナル応答 / 種子登熟・胚発生 |
研究概要 |
我々は、これまでにSpo^<min>制御下にあるLUCレポーターの糖に応答した発現が異常に高くなるhsi2突然変異株を解析し、抑制的制御機構の存在を明らかにした(H Tsukagoshi et al.(2005) Plant Physol. 138 675-685)。そこでHSI2の生理的役割や植物糖応答シグナル機構でHSI2の抑制因子として果たす役割を解析するために、HSI2並びにHSL1の遺伝子破壊株の解析を行った。HSI2もしくはHSL1それぞれ単独の遺伝子破壊株では特に異常な表現型は観察されなかった。この二つの遺伝子はアミノ酸配列の類似性から同じサブファミリーに分類され、互いに機能を相補している可能性が考えられたので、HSI2、HSL1両遺伝子の破壊株を交配し二重変異株を作製した。二重変異株は幼植物体致死となりHSI2、HSL1両遺伝子が相補しあって植物の生育のために必須の機能を持っていると考えられた。二重変異株を詳細に解析したところ、春化処理後5日目で胚軸の肥大が観察され、さらに胚軸は黄色を呈しカルスの様に肥大した。しかし糖を含まない培地上では胚軸の肥大は観察されなかった。二重変異株は種子貯蔵タンパク質やトリアジルグリセロールといったシロイヌナズナ種子特異的な貯蔵物質を実生でも蓄積していた。マイクロアレイを用いた網羅的な解析から、この二重変異株では種子登熟・胚発生後期過程特異的な貯蔵タンパク質や転写因子の遺伝子の発現が顕著に脱抑制を受けていた。以上のことからHSI2、HSL1二重変異株は種子登熟・胚発生特異的な遺伝子の発現を実生において抑制していると考えられた。二重変異株の胚軸は植物ホルモンの作用なしで単独でカルス化した。また、胚発生過程で鍵となるLEC遺伝子群の発現は糖によって誘導されることが二重変異株を用いた解析から示され、HSI2、HSL1は種子登熟・胚発生課程での遺伝子発現を糖シグナルを介して抑制する重要な役割を果たしていると考えられた(H Tsukagoshi et al.,(2007) Proc.Ntl.Acd.Sci.USA.104 2543-2547)。
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