研究課題/領域番号 |
05J08586
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
無機工業材料
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
鈴木 俊介 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | ぬれ性 / 表面エネルギー / コーティング / シランカップリング / 水 / 流動 / 転落加速度 / 氷結 / 撥水 / 水滴 / Si / マイクロパターニング / 過冷却 / ケルビンプローブ顕微鏡 / 撥水膜 |
研究概要 |
元来親水的な固体表面を撥水化する技術は工業用途として高いニーズを有している。これまで、撥水性固体表面の特性は静的な撥水性(接触角や転落角)などで評価されてきた。しかし、液滴除去など動的なぬれ性を評価するには、静的な評価方法だけでは不十分である。本研究では、液滴の動的な挙動(特に転落挙動や転落(加)速度)に注目し、実験的な評価から撥水表面の新たな設計指針をたてることを目的とした。 固体表面としてはSi基板を用い、様々なシランカップリング剤(アルキルシラン、フルオロアルキルシラン)を被覆処理した。被覆条件(シランの使用量・雰囲気・被覆時間など)や被覆方法(浸漬法・CVD法)を検討することによりコーティングの表面粗さ・シランの被覆率を任意に制御した。液滴には水、アルコール溶媒、ジオキサン水溶液を用いた。液滴の転落挙動の観察には高速度カメラによる直接観察に加え、シート光レーザーと蛍光粒子を併用した「粒子画像流速測定(PIV)法」を利用することで液滴内部の流動状態を直接観察した。これまで、水滴の転落(加)速度は液滴の回転成分と固液界面でのすべり成分が存在するといわれていたが、その割合や液滴の転落挙動に対する寄与は明確でなかった。本研究では独自の流動モデリングを用いて、水滴の転落加速度の成分わけを矛盾無く説明した。特に、化学的均一性が高く、nmレベルで平滑なコーティング面では水滴に大きなすべり加速度が期待でき、水滴除去性能が高くなるという高速水滴除去表面としての一つの設計指針を得た。 本研究では、液滴の転落挙動の制御を任意に制御する方法を検討した。特にライン状撥水表面や平行平板への液滴の挟み込みなどで液滴の転落挙動制御の可能性を見出した。また、撥水表面における過冷却水滴の氷結挙動を評価し、水滴と各種表面の相互作用についても考察した。
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