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「阿闍世コンプレックス」における阿闍世物語の出典と変遷に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05J08700
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 宗教学
研究機関北海道大学

研究代表者

森口 眞衣  北海道大学, 医学部, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2005 – 2007
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2007年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード阿闍世コンプレックス / 王舎城の悲劇 / 仏教説話 / インド医学 / スシュルタサンヒター / 精神医学 / 『スシュルタサンヒター』 / インド
研究概要

昨年度の分析で阿闍世物語成立は仏教経典でなく受容の文化的背景に基づくという仮説を得た。本年度は異同の中心「母親像」変遷の解明を目的とし、以下の新たな成果を得た。
1.仏教経典の(1)「強い王妃」(2)「嘆きの母」に対し「阿闍世コンプレックス」では(3)「哀れな妻であり愚かな母」となる。古典文学作品はほぼ(2)に一貫し、江戸時代以降の戯曲作品や昭和以降の著作物に当時の日本女性の煩悶を(3)で表現する傾向が判明した。従って経典を直接の出典としない作品群で行われた自由な脚角から(3)の人物像が成立した可能性があり、「阿闍世コンプレックス」成立に関する仮説の傍証とした。
また宗教と医療を連結する境界領域開拓に向けインド医学と現代精神医学を架橋する問題のうち、昨年度の分析で古代インド医学文献『スシュルタサンヒター』の精神病関連記事とされる部門に現代精神医学における特定状態像との一致を認めるのは困難という仮説を得た。全体にわたる精神病理学的な症状記述を検証したところ、以下の新たな成果を得た。
2.食の不調や不眠に併発し健康人の単なる落ち込みとは区別した形で点在する「抑うつ」の記述から、現代の疾病分類と異なるインド古典医学体系で「うつ病」は独立した疾病としてではなく症状の形態で把握されていた可能性がある。
3.後代の付加とされる最終部分に部位・症状に着目して病理・治療を分類、疾病を体系化する姿勢が看取できるため、症状レベルでの疾患把握を検証し伝統的分類に基づいた本書の構成を再検討する必要がある。
以上の成果のうち1について北海道印度哲学仏教学会の学会誌に論文を掲載し、また精神神経学雑誌へも受け入れ研究者との共著論文を投稿中である。また2〜3については2007年7月28日開催の北海道印度哲学仏教学会、10月4日開催の日本精神病理・精神療法学会で発表し、それぞれ学会誌掲載に向け論文を投稿中である。

報告書

(3件)
  • 2007 実績報告書
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 「韋提希」の変遷と阿闍世コンプレックス-「王舎城の悲劇」との関係-2007

    • 著者名/発表者名
      森口 眞衣
    • 雑誌名

      『印度哲学仏教学』 第22号

      ページ: 124-143

    • NAID

      40015894381

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 説話文学における「王舎城の悲劇」-『今昔物語集』の阿闍世王説話との関係-2006

    • 著者名/発表者名
      森口 眞衣
    • 雑誌名

      印度哲学仏教学 第21号

      ページ: 218-236

    • NAID

      40015328412

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [学会発表] インド古典医書『スシュルタサンヒター』に見られるうつ病の記載2007

    • 著者名/発表者名
      森口 眞衣、大宮司 信
    • 学会等名
      日本精神病理・精神療法学会第30回大会
    • 発表場所
      倉敷市芸文館(倉敷市)
    • 年月日
      2007-10-04
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [学会発表] Susrutasamhitaにおける「精神病」2007

    • 著者名/発表者名
      森口 眞衣
    • 学会等名
      北海道印度哲学仏教学会第23回学術大会
    • 発表場所
      苫小牧駒澤大学(苫小牧市)
    • 年月日
      2007-07-28
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2024-03-26  

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