配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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研究概要 |
近年、環境要因が生物の発生にどのように影響を及ぼすかを検証するモデル系として、表現型多型を示す生物が用いられるようになった。社会性昆虫のカースト分化は表現型多型の最も顕著な例であり、個体にとっての外部環境と遺伝的要因の情報を統合することにより、発生経路が制御されている。本研究ではシロアリの兵隊カーストについて分化時の形態の変化とその機構を形態学・組織学・分子生物学の手法を用いて多面的に解析した。特に、兵隊分化中の大顎組織で高い発現が見られる遺伝子HsjCib、さらに主要な形態形成因子であるHsjHh,HsjDpp,HsjWg,ホルモンシグナル系遺伝子のHsjEcR,HsjRXR,HsjBR-Cについて、ノーザンハイブリダイゼーション、リアルタイム定量PCR等を用いて、発現解析を行った。 また、シロアリにおいて今後ゲノムレベルの解析が必要になるとの考えから、シロアリと、その外群であるゴキブリ、カマキリを含む網翅類、約40種について、PI染色フローサイトメトリーによってゲノムサイズの推定を行い、ゲノムシークエンシングに適した種の選定に寄与すると共に、社会性の進化に伴うゲノムの進化について考察を行った。 これらの成果は第9回国際幼若ホルモン会議JH9(ヨーク)、日本進化学会第9回大会(京都)において発表した。また、誌上では、日本生態学会誌、Sociobiology誌などにおいて発表した。
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