研究課題/領域番号 |
05J08837
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
社会心理学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
真島 理恵 北海道大学, 大学院文学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 一般交換 / 利他行動 / 間接互恵性 / 協力行動 |
研究概要 |
人間社会は、多数の人々が一対一の関係を超え助け合うこと- 一般交換 -により支えられている。近年、このような二者間を超えた利他行動を説明するモデル研究が、生物学を中心に急速に展開しつつある。しかし、その適応的基盤は未だ明らかにされておらず、またそうしたモデル研究のほとんどは、モデルの前提となるべき人間の認知・心理的特性に関する社会科学における実証的知見を無視した形で行われてきた。本研究の目的は、二者を超えた利他行動がなぜ、いかにして、どのような人間の認知・心理特性を基盤として成立するかを、生物学における適応論的アプローチと、心理学や社会科学における実証的アプローチを統合し、理論的・実証的に検討することにある。 初年度には、一般交換の成立を可能とする適応的な戦略を理論的に明らかにすることを目的としたコンピュータ・シミュレーションと数理解析を行った。その結果、一般交換の成立を可能とする重要な理論的条件が、「利己主義者を排除する」「利他主義者に対して利他的に振る舞った者を助ける」のみならず、「利己主義者に対して利他的に振る舞った者を排除する」という厳しい選別的利他主義にあることを明らにした。平成17年度はこの結果を国際学会で発表するとともに、その結果を国際雑誌に論文として投稿した。平成18年度には、人々が実際に理論研究の結果示された戦略を採用することにより一般交換を成立せしめるのか、理論的結論を実証的に検討する実験室実験を実施した。具体的には、参加者に元手を与え、他者の過去の行動履歴にもとづいて、どのような他者に利益を与える行動をとるかの決定を繰り返し行う実験を実施し、参加者の選別的利他行動のパターンを測定した。その結果、参加者は実際に、「非協力者を排除し」「協力者を助けた者を助け」「非協力者を助けた者を助けない」という、理論研究の結果示された行動パターンを示すことが明らかにされた。
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