研究課題/領域番号 |
05J09014
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
林産科学・木質工学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
春日 純 北海道大学, 大学院農学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 寒冷適応 / 落葉広葉樹 / 木部柔細胞 / 深過冷却 / 氷核形成阻害物質 / フラボノイド / 氷核形成阻害 |
研究概要 |
北方落葉広葉樹の木部柔細胞は、深過冷却と呼ばれる特殊な機構によって冬季の凍結ストレスを回避している。本課題研究では、この深過冷却のメカニズムに果たす細胞内成分の役割を明らかにするために、木部組織に蓄積する過冷却促進成分の探索とその生理的な機能解析を行なった。 平成17年度までの研究結果から、北方落葉広葉樹の木部組織には過冷却を促進する成分が存在することを明らかにした。そこで平成18年度は、この過冷却促進成分の単離と同定、その組織内局在の確認を試みた。それにより、以下に示す新たな知見を得た。 1.カツラの木部組織に存在する過冷却促進成分はフラボノイドである カツラ木部組織からメタノールにより抽出した粗抽出画分から4つの過冷却促進成分を単離し、UV、MS、NMRスペクトル分析によりそれらの構造解析を行なった。その結果、得られた過冷却促進成分はいずれもフラボノイドであり、それぞれケルセチン-3-O-β-グルコシド、ケンフェロール-O-β-グルコシド、8-メトキシケンフェロール-3-O-β-グルコシド、ケンフェロール-3-O-β-グルコシドであることを明らかにした(論文準備中)。これらのうち、ケンフェロール-7-O-β-グルコシドの過冷却促進効果(9℃)はこれまでに報告されている既知の過冷却促進成分(過冷却促進効果0.1〜8℃)に比べて最も高く、現在、凍結阻害剤や霜害防止剤としての応用に関して特許を出願している(特願2006-19346)。 2.フラボノイドが木部柔細胞内に蓄積している フラボノイドを特異的に染色するNaturstoffreagenz A試薬で木部組織を処理すると、木部柔細胞内で特徴的な蛍光が観察された。この結果は、何らかのフラボノイドが木部柔細胞内に蓄積していることを強く示唆しており、現在、これが過冷却促進成分と同一の化合物であるか検証を行なっている。
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