研究課題/領域番号 |
05J09955
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中川 貴之 大阪大学, 生命機能研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 自己免疫疾患 / 制御性T細胞 / インターロイキン6 / IL-6 / T cell / ホメオスタティック増殖 / 免疫寛容 |
研究概要 |
本研究においてはIL-6シグナル異常により関節炎を発症するF759マウスの自己免疫疾患とT細胞の関係について研究を進めてきた。前年度は自己免疫疾患発症に重要な役割を持つとされる制御性T細胞について検討を行った。その結果、一般的に知られているCD4陽性CD25陽性の制御性T細胞の細胞数、活性に関しては野性型マウスのものと、F759マウス由来の制御性T細胞において差が認められなかった。しかし、CD8、CD25陽性、かつ、制御性T細胞のマスター遺伝子である転写因子Foxp3陽性の細胞群がF759マウス生体内において増加している事が明らかになった。このような細胞集団に関する報告は少なく、IL6シグナルにより正に制御されている細胞集団である可能性が生体内で示された。 本年度はこの研究を発展させ、この細胞群の分化がIL-6シグナルにより正に制御されていることを試験管内において明らかにした。さらに、このIL-6により誘導したCD8+Foxp3+T細胞、もしくはF759マウスにおいて自然に分化してくるCD8+Foxp3+T細胞が自己免疫疾患に与える影響を検討した。まず、IL-6により誘導したCD8+Foxp3+T細胞が自己免疫疾患を抑制できるかを検討するため、RAG2KOマウスにナイーブCD4+T細胞を移入して誘導する自己免疫性腸炎のモデルに関して検討を行った。その結果、IL-6により誘導したCD8+Foxp3+T細胞はこれまでによく知られたCD25+CD4+制御性T細胞と同様に自己免疫性腸炎の発症を抑制した。さらにF759マウスにおける自己免疫性関節炎の発症にCD8+Foxp3+T細胞が関与しているかを検討するために、CD8+Foxp3+T細胞のみを特異的に欠損した骨髄移植F759マウスを作製し、その関節炎の発症を観察したところ、CD8+Foxp3+T細胞を特異的に欠損したF759マウスにおいては関節炎の発症が早期化、増悪した。以上の結果より、CD8+Foxp3+T細胞はIL-6によりその分化が正に制御されており、自己免疫疾患の発症抑制に関与していることが明らかになった。
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