研究課題/領域番号 |
05J10116
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
刑事法学
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
笹倉 香奈 一橋大学, 大学院・法学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2007年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 裁判の公開 / プライバシーの権利 / 知る権利 / 公正な裁判 / 裁判報道 / 刑事訴訟法 / 憲法 / 公開原則 / 法と心理 / 表現の自由 / プライバシー権 / イギリス:アメリカ:ドイツ |
研究概要 |
本年度は、研究実施計画に沿って、四点の成果をあげることができた。 第一に、法廷におけるカメラ取材の実施状況に関する、アメリカでの現地調査である。2008年2月から3月にかけて、マサチューセッツ州ボストン市に滞在し、研究者及び実務家に対する聴取り調査を行った。その結果、マサチューセッツ州でのカメラ取材のあり方、法廷で被告人の個人的な情報を守るためにベンチ・コンファレンス等の手法が採用されること等が明らかになった。本調査では、これまでの文献調査では得られなかった知見を得ることができた。これは、日本における法廷カメラ取材のあり方を検討する際に、有益な視点を提供するものである。 第二に、公開の法廷における被害者の保護についての検討を行った。特に、2007年に行われた、公開の法廷における性犯罪等の被害者の氏名等の秘匿に関する法改正につき、原則・例外が不明確であること、厳格な適用範囲の限定付けを行う必要性があること、匿名性が本当に被害者の保護となるのか否か等について検討を行った。 第三に、本研究の主題であった、訴訟関係人のプライバシーの権利等の人格権保護の必要性が具体的に生じている場面について、実務家から具体的な事例の情報の提供を受け、また問題解決のための知見を提供することができた。すなわち、少年の刑事事件においてこの問題が近年より明らかになりつつあること、その解決のためには、法廷の公開停止などの手段を実務の側が求めていること、それに対して、本研究が、有用な理論的な枠組みを与えられることが明らかとなった。 第四に、研究発表として、いくつかの研究会で報告する機会を得ることができた。2007年6月に立命館大学で行われた司法コミュニケーション研究会では、法廷のカメラ取材に関する実証研究について報告を行い、法学者・法実務家と議論を行うと共に、心理学者から、心理的実験を行う場合のアドバイスを受けることができた。また、2008年3月に山梨学院大学で行われた現代刑事法研究会においては、裁判とメディア取材に関する著書の書評を行った。
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