研究課題/領域番号 |
05J10946
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
清水 一浩 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | ベンヤミン / カント / コーヘン / 知覚 / イメージ / 読むこと(読解) / 超越論哲学 / 認識論 / 言語 / 歴史哲学 / 瞬間(時間) / 経験 / 言葉(文字) |
研究概要 |
本年度(第二年度)は、関連文献の収集・読解を進めるとともに、初年度の研究成果を展開して、ベンヤミンにおける<瞬間の認識論>と呼ぶべき認識論的な問題構制の検討を、特に初期ベンヤミンにおけるカント・コーヘンの批判的受容という点に着目して進めてきた。その研究成果の一端は、論文「知覚するとは読むことである--知覚概念をめぐるカント、コーヘン、ベンヤミン」(『哲学・科学史論叢』第九号、二〇〇七年)にまとめられた。 そこでの問題は、カント・コーヘン・ベンヤミンという連関のなかで「知覚」の概念が彫琢されてきた理路である。カントにおける知覚概念は、現象の質量を与える経験的なものだとされる一方で、この質量なしには現象が当のその現象でありえない以上、その現象の可能性の条件をなす超越論的なものでもある。この両義性を超越論的な論理の方向に徹底化したのが、コーヘンである。コーヘンは経験的な感覚の要素を知覚概念から徹底的に拭い去って、これを超越論的リアリティにまで純粋化した。ただし、このリアリティはなおも主観性の論理に基礎づけられる。ベンヤミンはこの主観性の制限を取り払って、現象のリアリティの固有性をイメージ概念において先鋭化させる。イメージが当のその<図>のイメージとして立ち現れてくるときには、そのイメージの可能性である超越論的な物質性としての<地>が前提されているはずである。このような<地>こそをベンヤミンは知覚と呼ぶ。知覚において何かを了解するとは、現象の多様においてイメージを読み取ることに等しい。したがって、知覚するとは読むこと--読み取ることの可能性としての読むことそれ自体--である。このような理路が、現象の超越論的物質性を問うたカント・コーヘンの思索の歩みを徹底化するものとして明らかにされた。
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