研究課題/領域番号 |
05J11073
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
澤田 桂 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 幾何光学 / X線動的回折理論 / ベリー位相 / フォトニック結晶 / マルチフェロイクス / 磁気カイラル効果 / 光学的電気磁気効果 |
研究概要 |
光学素子の設計には幾何光学が有用である。幾何光学は光の伝搬の様子を記述するものであり、物質の屈折率の空間変化が光の波長に比べてゆっくりである場合に成立する。従って、周期構造中ではブラッグ条件近傍の光は多重散乱の寄与が本質的に効いてくるため従来の幾何光学は破綻する。 そこで本研究では、周期系でのブラッグ条件近傍の波束に対して実効的な幾何光学を新たに構築することを目的とした。切り口として、固体電子論で盛んに議論されているベリー曲率の概念を光学に応用した。具体的には、X線動的回折理論により、結晶におけるX線のブロッホ波束の運動方程式を導出し、従来の幾何光学の方程式に対してベリー曲率による補正が有効的な磁場として加わること示した。そこで、実際にベリー曲率が寄与する物理現象として、歪みのある結晶中のX線の伝搬を考察した。結晶歪みの存在下でブロッホ波束の運動方程式を解き、波束の重心位置がシフトすることを見出した。その大きさは歪みの100万倍にも及ぶため、原子レベルのミクロな歪みが、マクロな波束のシフトとして観測できることがわかった。この結果はPhysical Review Letters誌に掲載され、さらに実験グループによって証明された。
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