研究課題/領域番号 |
05J11760
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
池端 慶 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | マントル / かんらん岩 / 島弧 / 硫化鉱物 / 銅 / 同位体 / MC-ICP-MS / フェムト秒レーザー / 揮発性元素 / 交代作用 / 捕獲岩 / 包有物 |
研究概要 |
1.島弧下マントルを構成すると考えられるフィリピンバタン島のかんらん岩捕獲岩の薄片を電子顕微鏡、EPMA等を用いて硫化鉱物の分布、組成を調べた結果、交代作用によって黄銅鉱などの銅を含む硫化鉱物が二次的に形成されている事が分かった。また硫化鉱物のモードと組成からバルク組成を計算した結果、揮発性元素である硫黄と銅の濃度が正の相関を示した。この傾向は今まで調べた島弧下マントル起源のかんらん岩と同様であった。従って、島弧下マントルには銅や硫黄に富んだ流体が付加されている可能性が高い事が分かった。 2.主用銅鉱物(自然銅、黄銅鉱、輝銅鉱、赤銅鉱)の銅同位体比を高精度、高分解能で決定する為、東京工業大学平田研究室のMC-ICP-MSと07年5月から稼動したフェムト秒レーザーとを組み合わせたレーザーアブレーション法(LA法)による分析手法の確立を目指した。まず、各銅鉱物を二分割し、一つは王水で分解後、従来の溶液MC-ICP-MS法で銅同位体比を決定した。溶液法での同位体比の精度は全ての試料で0.1‰以下であった。分割したもう一つの試料は研磨した後、LA法(スポット径15μm)で同位体比を決定して溶液法で得られた値、精度と比較した。黄銅鉱と輝銅鉱は銅同位体標準試料(NIST976)との間でマトリックス効果が見られたが、マトリックスを揃えた二次標準試料を使用する事で全ての試料で精度(く0.14‰)、確度とも良い結果が得られた。また、銅板試料の6ヶ月を超える溶液、LA法による銅同位体比の長期繰り返し測定では、両方法とも精度0.1‰以下であり、フェムト秒レーザーを用いたLA法の銅同位体比測定法の長期安定性が確認できた。以上から、今までナノ秒レーザーを用いたLA法では困難であった銅鉱物の銅同位体比局所分析法を確立する事ができた。この方法を用いたマントル岩中の銅鉱物の銅同位体比測定は現在進行中である。
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