研究課題
特別研究員奨励費
○ケトン・アレニックエステル・有機亜鉛試薬を用いる三成分連結型触媒的不斉アルドール反応の開発 Cu-DIFLUORPHOS触媒存在下において、(1)有機亜鉛試薬のアレニックエステルへの共役付加、(2)銅ビニロガスエノラートのケトンへのγ-アルドール反応、(3)ラクトン化反応がワンポットで連続的に進行し、不斉四置換炭素を有する多官能基化δ-ラクトンを最高95%収率・98%eeにて得ることに成功した。反応系に触媒量のルイス塩基を添加することで、α-アルドール付加体の競合的生成を抑制することにも成功した。対照実験により、触媒が不要なα体の分解(レトロアルドール反応)を促進し、望みのγ-付加体へと系中で変換している「校正機能」の存在を実証することにも成功した。(J.Am.Chem.Soc.2007,129,7439.)○アロステリック制御部位を有するジアリールエーテル型不斉リン配位子の設計・合成・応用遷移金属触媒を用いた不斉反応が示すパフォーマンスの大部分は、不斉配位子の構造的・電子的特性によって規定される。触媒系毎に最適な配位子構造は全く異なるため、条件最適化検討においては、多種多様な骨格をもつ配位子のスクリーニングが必須となる。このプロセスの現実的必要性を前提するならば、「基本骨格の多様性発現に基づくチューニングこそが劇的な効果を生む」というDiversity-Oriented Synthesisの思想に基づく配位子設計法の有効性は自明であろう。私は配位子構造に劇的な影響を与える「調節部位」を、「活性部位」から分離したアロステリック制御型設計法を提案した。概念実証のために、配座自由度の精密かつ幅広い調節が可能な、ジアリールエーテル骨格を採用した。実際に合成した不斉リン配位子をケトンへのアリル化反応に適用し、現在までに最高52%eeの不斉収率を達成している。
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