研究課題/領域番号 |
05J52642
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
超高層物理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
永田 大祐 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | プラズマシート境界層 / プラズマシート / 太陽風 / 電離層粒子流出 / 沿磁力線電流 / 磁気圏電離圏結合 |
研究概要 |
昨年度行った調査の結果、さらに3次元構造を解明する重要性が認識された。そこでTsyganenko and Fairfield[2004]の磁気中性面位置モデルを用いて新たにプラズマシート面に垂直な方向の分解を試みた。また今回の解析では惑星間空間磁場の南北成分の10時間平均値に加えて、太陽風風速、惑星間空間磁場の方位角によってもデータセットの分割を行い、個々の解析結果の比較からそれらの効果についても調べた。解析の結果、近地球プラズマシート外核部の数密度は北向き惑星間空間磁場が卓越しかつ太陽風速度が大きい場合には夕方側フランクのシース・プラズマシート境界層の赤道領域において強い太陽風数密度依存性を示し、これはケルビン・ヘルムホルツ渦の崩壊を介した質量流入を支持する。一方、低速度太陽風状態においては朝夕の両側フランク高緯度領域から低緯度領域にかけて強い太陽風数密度依存性を示し、これは高緯度磁気再結合による質量流入を示唆する。南向き惑星間空間磁場が卓越する状況下では、朝夕両フランクのさらに高緯度領域において強い太陽風数密度依存性が見られた。これは昼側磁気圏界面低緯度領域における磁気再結合に伴う質量流入を示唆する結果である。また、平行衝撃波下流において太陽風依存性が強い傾向が確認され、これは運動論的アルフベン波による拡散流入を支持する興味深い結果である。次に、得られた観測解析結果をNASA/GSFCのThomas E.Moore博士らによる広域MHD数値シミュレーション中におけるテスト粒子追跡解析の結果と比較した。彼らのシミュレーションでは惑星間空間磁場が南向きから北向きに反転する際に夕方側フランク高緯度磁力管に太陽風起源粒子が大規模に流入することが示されていたが、これに対応する構造が観測的に確認された。本研究によって太陽風依存性の広域空間構造が解明されたことにより、広域シミュレーション結果との対応をとることが可能となった。これまでのプラズマシート境界層における輸送過程の研究は局所的シミュレーションと一点観測の対応に依存して行われてきたが、本研究はこれに代わる新たな視点を与えるものである。
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