研究課題/領域番号 |
06041058
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤谷 築次 (1995-1996) 京都大学, 農学研究科, 教授 (30046453)
増井 幸夫 (1994) 京都大学, 農学部, 教授 (90001429)
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研究分担者 |
吉野 章 京都大学, 農学研究科, 助手 (80240331)
浅野 耕太 京都大学, 農学研究科, 助手 (50263124)
飯国 芳明 高知大学, 人文学部, 助教授 (40184337)
人見 五郎 九州国際大学, 国際商学部, 助教授 (90218727)
四方 康行 麻布大学, 獣医学部, 講師 (20178859)
増田 佳昭 滋賀県立大学, 環境科学部, 助教授 (80173756)
新山 陽子 京都大学, 農学研究科, 助教授 (10172610)
嘉田 良平 京都大学, 農学研究科, 教授 (90111947)
武部 隆 京都大学, 農学研究科, 助教授 (30093264)
増井 幸夫 神戸国際大学, 経済学部, 教授 (90001429)
藤谷 築次 京都大学, 農学部, 教授 (30046453)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
22,700千円 (直接経費: 22,700千円)
1996年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1995年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
1994年度: 9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
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キーワード | EC市場統合 / 共通農業政策 / 青果物流通 / 畜産物流通 / 構造政策 / 卸売市場 / と畜産業 / 農産物貿易 / 農酸物貿易 / 畜産物貿易 / 農産物市場統合 / 農産物流通政策 / 農産物市場再編 / 構造変化 |
研究概要 |
農業政策班、青果物流通班、畜産物流通班の3班編成で調査研究をすすめた。 1.農業政策班は、初年度、政策当局でのヒアリングにより、EU共通農業政策、イギリス、オランダ、フランスにおける農産物流通政策の概要とその再編の及ぼす影響についての情報を得た。その結果、農産物市場統合は成熟段階にあり、農産物流通政策においては、安全性、規格・基準に関して日本の参考となる新展開を確認できた。二年度は、ミュンヘン工科大学、地中海農業研究所等の研究機関を訪問し、EU各国の市場流通政策の特徴と変遷についてヒアリングを行った。その結果として、市場統合の成果を享受するためには、安全性などを視野に入れた農産物流通政策を一層整備していく必要があることが明らかになった。三年度は、ベルギー、フランス、イギリス、ギリシャを訪問し、EU本部、各国農林水産省の該当部局において、農産物貿易政策と流通政策についてヒアリングを行った。あわせて、市場統合の評価に対する研究動向を調査した。その結果、市場統合の成果は国ごと、作物ごとに大きく異なり、今後の統合の進展は安全性等に関する諸規制のハ-モナイゼーションをどのように各国で調整していくかに大きな影響を受けることが明らかになった。 2.青果物流通班は、ベルギー、オランダ、フランス、イギリスの政府機関、卸売市場、生産者及び生産者組織等に対するヒアリング及び資料収集を行った。その結果、(1)各国の青果物流通は、産地卸売市場中心型、消費地卸売市場型、大型量販店系列型、並びにその混合型などが諸類型があり、それらの基本構造が明らかになった。(2)EUの青果物市場競争は、園芸王国オランダがイタリア・スペインおよび域外国モロッコの追い上げを受けている状態で、各国が独自の対応策をとっていることが明らかになった。二年度は、ドイツ、イタリア、スペイン、モロッコの青果物卸売市場、青果物輸出入業者、青果物生産者、及び政府関係機関・研究者に対してヒアリング及び資料収集を行い、EUの市場統合によって、青果物をめぐる国間競争は、輸入国の産地は厳しいながらも国内向けの生産・販売対応をとり競争力を維持していること、域内の輸出国同士では品質・価格競争力でスペインの優位性が強まっていること、さらに、域外国の産地に対してはEUの共通農業政策が公平な競争を阻害し、輸出入業者や小売業者の対応や青果物卸売市場の役割を変化させ、EUの青果物流通の再編が一層すすんでいる実態が明らかになった。三年度は、これまで収集された資料を整理し、各国の産地の生産・出荷体制と青果物の卸売流通と生産者の市場対応の現状と動向を各自取りまとめた。 3.畜産物流通班は、初年度はEU本部、およびオランダ、フランス、イギリスの農務省、畜産機関等を訪れ、資料収集と聞き取り調査を行った。分担者4人が、牛肉・肉牛の流通構造の変化、肉牛・牛肉がかかわる制度・政策、肉牛の生産構造、牛肉の消費構造の変化を分担した。明らかになった点は、ビ-フ・ビールと畜産業の集中度の上昇・一部多国籍化とスーパーマーケットの大型化を軸として流通構造変化の大きな要因となったこと、EU統合にともなうと畜プラントの統一衛生基準の策定が、と畜産業の再編をもたらし国内・国際競争構造に大きな影響を与えていること等である。二年度は、ドイツ、イタリアの農務省、畜産機関、大学及び研究所、生産者及び生産者組織、ビ-フパッカーを訪れ、ヒアリングと資料収集を行った。その成果として、EU内の貿易構造を基本的に規定しているのは、耕作条件の違いによる生産構造の地域的差異、牛肉需要の国による品質的差異であること、EU市場統合にともなうと畜プラントの衛生基準の統一が、と畜産業の再編をもたらし、国内・EUの競争構造に大きな影響を与えていること、競争が激化しつつある市場への対応戦略として、国単位でサプライチェーンの全体にわたる品質コントロールプログラムが試みられていること等が明らかになった。三年度は、ドイツの農務省、畜産機関等を訪れ、ヒアリングと補足資料収集を行った。その成果として、食肉消費に大きな影響を与えた狂牛病騒ぎの実態やそれに対するドイツの農民連盟、農業協同組合、パッカー、スーパーマーケット、食肉連盟の対応を明らかにした。
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