研究課題/領域番号 |
06041090
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
宮城 一郎 琉球大学, 医学部, 教授 (50039921)
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研究分担者 |
SIGGIH Sigit ボゴール農科大学, 教授
SYAFRUDDIN ハサヌディン大学, 医学部, 講師
KUNAR AbadiG ハサヌディン大学, 医学部, 助教授
當間 孝子 琉球大学, 医学部, 助手 (10145526)
高岡 宏行 大分医科大学, 医学部, 助教授 (00094152)
茂木 幹義 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (00039538)
上村 清 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (00115164)
SIGIT Siggih Bogor Agricultural University
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1994年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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キーワード | 医動物学 / 生物物理 / 共進化 / ベクター / 寄生虫 / インドネシア / 蚊 / ブユ |
研究概要 |
1.南スラベシ,バル部落住民の生活習慣、環境衛生に関するアンケート調査 住民の生活習慣や衛生環境が住民の寄生虫罹患とどの様に関係しているかを知る目的で7月26日から8月3日までアンケート調査を行った。バル地区4部落(2海岸、2山脚)で保健所の協力を得て、訪問によるインタビュー形式で1,405名(484世帯)を対象に実施した。その結果は目下集計中だが次のことが明らかになった。海岸に近いPancanaとLalolangは漁業、山側にあるLonpo Liaja、Pattappaでは農業をしている人が多かった。調査を行った地区の中で、Lompo Liaja地区を除いた3地区では「学校に行ってない」、「小学校未卒業」、「小学校卒業」までの世帯主が90%を占めていた。Lompo Liaja地区では高等学校卒業が32%を占め、4地区の中では最も高学歴地区となっており、公務員の多さと関連しているようだ。「トイレの有無」の間に対しては「ある」と答えた世帯は海側のLalolangでは13%と低く、山側のLonpo Liajaは60%を越え調査した地域では最高であった。他の地域は約30%であった。トイレはいずれの地区でも「Angsa」タイプが多く、80%以上が「タンク有り」と答えた。どのタイプも壁、底ともにセメントで造られたしっかりしたタンクが備え付けられていた。Pancanaではタンクの底が「石だけ」と答えたのが70%であった。トイレは家の周囲1〜2mの間にある世帯が多かった。トイレを所有していない世帯は山側の地区は川、畑で、海側の地区では海を主に利用していた。公共トイレの使用は少なく、近所のトイレを使っている人は10%弱であった。トイレの後、4地区の60〜80%の人が「手を洗う」と答えた。トイレでの履物は世帯主はほとんど「サンダル」であったが、主婦、子供は20%前後が「はだし」と答えた。 主婦について行ったアンケート結果から野菜を洗う習慣は定着していることが明らかになった。使用する水は海側の地区では井戸水、山側の地区では水道水が主であった。副食の調理法では4地区とも「揚げる」、「湯でる」が90%を占めていたが、10%前後が「生で食べる」とも答えていた。料理の前には70%の主婦が「手を洗う」と答えており、その80%以上が「石鹸を使う」と答えた。野菜の調理法は「炒める」という回答が100%であった。野菜を洗う習慣は定着しているが、これを洗う水は、海側では井戸水が使われており、山側では水道水が主に使われている。飲料水は海側の2地区では100%井戸水であり、山側の2地区は水道水を利用している。97%は「沸騰させてから飲む」と答えているが、山側のLonpo Liajaでは10%が「沸騰させない」と答えた。尚、本地区の住民の糞便検査、寄生虫卵による土壌汚染の程度などの調査は引き続きて現地の協力を得て行う予定である。 2.バル部落人家周辺の蚊の分類生態学的調査研究 7月21日から8月4日までバルの人家内外の蚊幼虫を採集した。主要な発生源は人家内外でいずれもかめなどの人工容器であった。採集された幼虫は7種であった。人家内外いずれにおいてもネッタイシマカが非常に多く、調査した容器922中211に見られ、22.9%であった。ヒトスジシマカは少なく、山脚部の庭で少数の発生が見られた程度であった(922水域中3水域)。その他ネッタイイエカやオオカの仲間も採集された。 3.スマトラ島での蚊の採集 西スマトラ中央部のパダンとブギティンギ-地区で8月6日から12日まで蚊の幼虫調査を行った。約250水域で1,500個体を採集し、室内で飼育し、幼虫、蛹、成虫の一連の標本を作成し持ち帰った。一部は同定済みで、その中にはTopomyia属の新種が含まれていた。 4.蚊の生態に関する調査 小容器に発生する蚊と同棲する節足動物の相互関係を明らかにする目的で下記の発生水域に発生する動物を全てホルマリンに保存した。ボゴールではHaliconia属の花弁(flower brast)2ケ所、西ジャワ、中央スラベシ、西スマトラのクワズイモの葉腋14ケ所、ウツボのカズラ28ケ所、一部は同定のため飼育し、成虫を標本にした。分析はまだ完了していない。 5.ブユの分類学的研究 中央スラベシでは11種が採れ、その内2種が新種で、南東スラベシでは1新種を含む5種が採集された。これまでの調査でスラベシ島より25種を記録した。西スラベシでは2新種を含む16種が、今回の調査でスマトラ島のブユ10種が追加された。
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