研究課題/領域番号 |
06041093
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
山岸 哲 大阪市立大学, 理学部, 教授 (80101286)
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研究分担者 |
永田 尚志 国立環境研究所, 主任研究員 (00202226)
日野 輝明 森林総合研究所, 農林水産技官 (80212166)
江口 和洋 九州大学, 理学部, 助手 (60136421)
下田 親 大阪市立大学, 理学部, 教授 (80047290)
森岡 弘之 国立科学博物館, 名誉研究員 (30000128)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
24,000千円 (直接経費: 24,000千円)
1996年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1995年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
1994年度: 8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
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キーワード | マダガスカル島 / オオハシモズ科 / 共同繁殖 / 鳥類社会 / 種内関係 / 種間関係 / DNAマイクロサテライト / ミトコンゴリアDNA / DNAフィンガープリンティング / ミトコンドリアDNA |
研究概要 |
前年度に引き続きAmpijoroa特別保護区のJardin A及びその周辺部を含む約1平方キロにおいてアカオオハシモズの社会構造を調査研究した。 40繁殖グループを確認し、このうち24グループについてはその構成とすべてのメンバーを個体識別した。昨年度確認された1歳以上の68個体のうち54個体(=79%)を再確認した。巣立ち雛30個体のうち、16個体(=53%)を再確認した。1歳雌12個体のうち、2個体のみが本年つがいを形成した。1歳雄3個体のうち、2個体は出自なわばりに留まり親の繁殖を手助けし、1個体は他のなわばりへ分散し他の繁殖グループへ加わった。4グループにおいて繁殖雄ないしはα雄が消失し、一方8グループにおいて繁殖雌が入れ代わった。 雄が複数いるグループについては個体追跡観察を行った。雄間には順位関係が認められた。繁殖初期には(産卵期から抱卵期まで)、優位雄(α雄)は劣位雄(β雄)が雌や巣に近づいた場合頻繁に攻撃した。雌は両方の雄から給餌を受けるが、交尾はα雄との間でのみ観察された。育雛期にはα雄の攻撃は少なくなり、β雄や雌と同程度に雛への給餌を行った。 グループのメンバー間の血縁関係を明らかにするために、血液サンプルを持ち帰りDNAマイクロサテライト多型分析を進めている。現在のところ、2種類のプライマーを開発するのに成功した。また、雄の糞中のホルモンレベルを測定している。これにより、劣位雄の性的活性が優位雄の存在によって抑制されているかどうかを明らかにできる。 オオハシモズ類の比較解剖:オオハシモズ類の系統分類解明のために、Ampijoroa研究林の近辺において、アカオオハシモズ、ハシナガオハシモズ、カギハシオオハシモズを捕獲した。標本は顎筋の形態の比較解剖学的研究を行うために、液浸標本として日本へ持ち帰った。また、一部の標本は剥製として、チンバザザ動植物園に保管される。 ミトコンドリアDNAのチトクロームb領域の塩基配列の比較によるオオハシモズ類の系統の解明:現在までにオオハシモズ類14種中11種類についてそれぞれ26塩基対の遺伝子配列が明らかにされた。それに先祖種とされるヤブモズやカブトモズの同領域の配列も加え、オオハシモズ類の起源及び系統進化が近々に明らかになりそうである。
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