研究課題/領域番号 |
06041096
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 東京成徳大学 |
研究代表者 |
西沢 利栄 東京成徳大学, 人文学部, 教授 (90062512)
西澤 利栄 (1995) 東京成徳大学, 人文学部, 教授
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研究分担者 |
ペドロ リスボア エミリオ, ゲルジ博物館, 研究部長
土谷 彰男 広島大学, 総合科学部, 助手 (00263632)
平吹 喜彦 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (50143045)
中西 友子 東京大学, 農学部, 助教授 (30124275)
八木 久義 東京大学, 農学部, 教授 (80191089)
金子 一郎 東京成徳大学, 人文学部, 教授 (50087558)
PEDRO Lisboa エミリオ, ゴエルジ博物館, 部長
青野 宏美 東京成徳大学, 人文学部, 助教授 (00255217)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
1995年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1994年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | カ-チンガ / テラ・フィルメ林 / 環境適応 / 微量化学成分 / 反応の速さ / 我慢強さ / DBH階分布 / 樹高階分布 / 天然更新 / アマゾン / テラフィルメ林 / 選択吸収 |
研究概要 |
本研究の目的は、ブラジル北東部内陸の半乾燥地域における有棘灌木林カ-チンガと湿潤熱帯アマゾンにおけるテラ・フィルメ林の環境適応の在り方を求めることである。 前者は、半乾燥気候の地域であるので水環境にたいするカ-チンガの適応であり、後者は、湿潤気候の地域であるので土壌の微量化学成分に対するテラ・フィルメ林の適応を知ることである。 カ-チンガに付いては、ペルナンブコ州ペトロリ-ナ周辺とバイ-ヤ州ジュワゼ-ロ周辺に地点選び、調査を行った。これらの調査では、第一にカ-チンガのサクセッションを知ること、第二は、サクセッションとともに変化するカ-チンガ植生の樹種組成を知ること、第三は、それぞれの樹種の水環境に対する適応を知ることである。水環境への適応は、Thorthwaite法による年水貯溜量に対する反応の速さ(response rate)と年水不足量に対する我慢強さ(stress tolerance)の二点で評価した。 カ-チンガのサクセッションは、その優占種は、初相から途中相にかけてマルヴァ(多年生草本)、マ-メレイロ、ジュレマ・プレタ、カ-チンゲイラと続くことが分かった。そして、サクセッションが進むに従って、樹種数も増加する。バイ-ヤ州クラッサで森林伐採後3年、10年、22年経過したカ-チンガを調べた所、3年目のカ-チンガでは、草本期から木本期への移行が見られ、10年目では、5の樹種が見られた。しかし、ここでは放牧の影響が、かなりあるものと思われる。22年後のカ-チンガでは、17樹種に増加していた。このようにサクセッションが進むに従って優占種が変化し、構成種数が増加する。つぎに、水環境に対する適応では、上述の二つの指標を基にして評価するとカ-チンガ植生は、A,B,Cの三つのグループに分けられる。そして、グループAは、反応の速さは大きいが、我慢強さの小さい樹種で占められ、それらは初相の樹種であった。グループBは、反応の速さは、グループAよい小さいが、我慢強さは、グループAよりやや大きな樹種も含まれ、それらは途中相の樹種に相当する。グループCは反応の速さは、せいぜいグループBと同じ程度であるが、我慢強さは、グループA,Bのいづれよりも大きいことがわかった。 次に、湿潤なアマゾニヤの場合は、土壌中の微量化学成分にたいする樹木の適応戦略を探ることであるが、こえに先だって、カ-チンガの場合同様に、サクセッションの進化に伴う樹種組成の変化などを求めた。そのために、森林伐採後3年、10年、20年の森林の調査を行った。調査地は、パラエンセ・エミリオ・ゲルジ博物館のフェレイラ・ペ-ナ研究所を拠点とするカシュワナ国有林内である。これらのデータは、現在整理中であるので、報告は途中の状況であるが、伐採後の年数が進むに従って樹種組成が内容および数において変化し、樹種数は増加する。また、樹高も次第に増加する。 3調査区における主要種の出現状況は、3年の場合には、Bellucia grossulariodes、Ocotea kongifoliaなど9種が見られた。10年後の場合は、3年の場合に見られた樹種3種が失われ、新たに7種が増加し、主要なものは、Croton matourebsis、Hirtella triandraなど15種であった。また。20年の場合は、Goupia glabra,Xylopia amazonicaなどを主要樹種としている。 なおこれらの資料を基に、DBH階分布、樹高階分布なども作成した。20年の場合には、樹高我20数メートルに達する物もある。DBHも20cmを越える樹木も見られた。これらを見るとアマゾン熱帯雨林は、意外に天然更新の早いことが分かる。 土壌と樹木中の微量化学成分については放射化分析を実施中である。そのため明確なことは言えない。
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