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インド共和国マヘ-ト遺跡(舎衛城)遺跡の研究

研究課題

研究課題/領域番号 06041110
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分学術調査
研究機関関西大学

研究代表者

網干 善教  関西大学, 文学部, 教授 (90067463)

研究分担者 BISHT B.S.  インド政府考古局, 局長(発掘調査担当)
SINGH L.C.  インド政府考古局 パトナ支局, 局長(発掘調査担当)
岩内 明子  熊本学園大学, 講師
貝柄 徹  関西外国語大学, 外国語学部, 専任講師 (10221863)
古川 雅英  科学技術庁, 放射線医学総合研究所, 研究員
米田 文孝  関西大学日, 印共同学術調査, 調査研究員
木庭 元晴  関西大学, 文学部, 教授 (40141949)
薮田 貫 (藪田 貫)  関西大学, 文学部, 教授 (80027987)
高橋 隆博  関西大学, 文学部, 教授 (70188019)
山岡 泰造  関西大学, 文学部, 教授 (50067576)
丹治 照義 (丹治 昭義)  関西大学, 文学部, 教授 (00067555)
薗田 香融  関西大学, 文学部, 教授 (40067492)
NAGARCH B.L  インド政府考古局, 局長(発掘調査担当)
MARGABANDHU シー  インド政府考古局, 局長(発掘調査担当)
JOSHI M.C.  インド政府考古局, 長官
研究期間 (年度) 1994 – 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
20,600千円 (直接経費: 20,600千円)
1996年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1995年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1994年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
キーワードサヘ-ト遺跡 / 祇園精舎 / マヘ-ト遺跡 / 舎衛城 / マウリヤ朝期 / シュンガ朝期 / クシャン朝期 / マヘ-ト(舎衛城)遺跡 / 北方黒色磨研土器 / 装飾煉瓦積建物 / 自然環境の復元 / 太陽の池 / 屋瓦貯蔵庫 / 城壁 / 大型井戸遺構 / クシャーン朝期 / 大型土偶 / 銅製壺 / シュラーヴァスティー / サヘ-ト(祇園精舎)遺跡 / 黒縁赤色土器 / 彩文灰色土器
研究概要

(A)考古学班 考古学班は平成6〜8年度の3ヶ年に及び、北部インドの過去社会を復元する上で看過できない、主要かつ重要な古代都市遺跡であるマヘ-ト遺跡(舎衛城)の発掘調査を継起して実施しました。
平成6年度は前年度まで3ヶ年間実施した第I期調査の諸成果を勘案し、ブッダ在世当時の遺構・遺物の遺存状況を直接的に確認する目的で、下層部分の発掘を阻害する煉瓦積遺構の遺存が希薄と推定した、「太陽の池」南側地点(A地点を重点的に発掘しました。その結果、12ヶ所設定した発掘区全域の自然(地山)面直上に各種規模の土壌や柱穴を検出しましたが、これらは各遺構の配置状況や内容から、紀元前500〜100年頃を中心とした遺構・遺物であると推断しました。さらに、その検出状況や共伴遺物から当初「宮殿地域」と推定した当該地区は、鉄・非鉄金属およびガラス加工を主体とする工房跡が周密して造営された地点であると判断でき、都市機能の把握に重要な知見を付加することができました。
平成7年度はマヘ-ト遺跡を特徴づける遺構の一つである城壁(土塁)の規模と構造を確認する目的で、全長約5.23kmに及ぶ城壁の東北部分(B地区)を中心に発掘しました。調査は現状で5m前後の高さを保持する城壁に直交し、全幅5.0m、全長55.0mを測る直線状の発掘区を設定し、基本的に地山面まで発掘しました。その結果、全幅約40.0m同じく高さ約8.50mを測る土塁の遺存とその構造を確認しました。この土塁遺構の構築時期は2期(第I・II期)に大別することができますが、包含遺物からその第I期は紀元前250年頃(マウリヤ朝期)に構築され、紀元前50年頃(シュンガ朝期)に大改修を受けたことを確認しました。また、第II期城壁の上面部には煉瓦積みの胸壁が構築されていた状況を確認しました。なお、城壁は紀元100年頃(クシャナ朝期)まで小規模な修復を受けつつ維持されていますが、その後は現在に至るまで再利用されることなく放置されていた状況が看取できます。なお、城壁の放棄は関連遺構の遺存状態から推測できるマヘ-ト遺跡全体の急速な衰退期(クシャン朝後半期)と、ほぼその時期が一致していることに注目できます。
平成8年度は市街区域と推定できる、城内北半部に位置する煉瓦積井戸の周辺地域(C地区)を調査しました。この井戸の直径は約6.0m、同じく深さ6.0m以上を測りますが … もっと見る 、現状で当遺跡群の中で確認されている同種の井戸遺構の中では、最大規模を誇示しています。また、周辺部にはこの井戸遺構を囲繞するように、クシャン朝期〜中性期の煉瓦積建造物が継起して造営されていますが、その下層部分には地山面との間に紀元前500年頃以降の遺物の包含が確認できます。ただし、この井戸遺構はシュンガ朝期の遺物包含層を掘削して構築されていることから、紀元前後に構築された蓋然性が濃厚です。なお、大型井戸遺構から西方に約50m離れた地点には別個の煉瓦積大型建造物が構築されていますが、この建造物は外壁面に装飾煉瓦を組み込んだ特異な壁面構成を示しており、その構造や出土遺物を勘案した場合、グプタ朝期に建造された集会場と推断することができます。その後、この集会場は改修築を受けながら、中世期以降まで使用されていたことが判明しています。
このように、平成6〜8年度の調査では従来全く不明であったマヘ-ト遺跡の平面的配置(機能分化)の一端を実証することができたとともに、古代都市の主要防御施設である、城壁の規模と構造を明確にすることができました。
(B)文献学班 今回までの発掘調査出土品中に含まれる有銘遺物の銘文解読を通じ、仏典にみられる寺院・都城・教団などの関連資料との比較検討を推進しました。その結果、祇園精舎(聖)と舎衛城(俗)の関連把握について、具体的かつ実証的な把握が可能になりつつあり、今後の研究の推進に有力な指針を入手しました。
(C)地理学班 遺跡立地を確認するために、踏査による表面的な観察を遺跡周辺部分で広範囲に実施しました。この作業と併せて、遺跡基盤層の成立過程の探求と古環境の把握・復元を目的に、考古学班の設定した発掘地点および城外の2地点に試掘壙を設定し、沖積土層の堆積状況を観察しました。今後は所期の目的を達成すべく、採取した試料の花粉分析や年代測定作業を推進します。
(D)美術史班 出土遺物および各地の博物館や研究機関に所蔵される既存関連資料(石彫刻・絵画など)、あるいは遺跡(石窟寺院など)を観察・踏査する作業を通じ、世俗的な都市遺跡と仏教遺跡との関連を考究するべく、基礎的な資料を収集しました。今後、これらの検討作業を通じて、各時期別の舎衛城内の景観復元や都市住民の精神生活(心性)の変化を追究・把握することを主眼として、さらに調査・研究を推進します。
なお、平成8年度末にはマヘ-ト(舎衛城)遺跡の調査に先行して実施した、佛教センター・サヘ-ト(祇園精舎)遺跡の正式発掘調査報告書を刊行し、関連する研究機関に無償配布し、その諸成果を公表しました。 隠す

報告書

(4件)
  • 1996 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1995 実績報告書
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] 網干善教他: "祇園精舎 サヘ-ト遺跡発掘調査報告書" 同朋舎出版, 1642 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yoshinori Aboshi et al.: Excavations at Jetavana (Saheth). Dohosya-syuppan, 1-1642 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 網干善教他: "祇園精舎 サヘ-ト遺跡発掘調査報告書" 同朋舎出版, 1642(4分冊) (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 網干 善教: "Excavation at Sravasti,District Baharaich" Indian Archaeology^-a review,1988-89. (1994)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 網干 善教: "佛典にみる祇園精舎創建縁起について" 祇園精舎. 415-465 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 丹治 昭義: "漢訳仏典よりみたる祇園精舎について" 祇園精舎. 467-506 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 米田 文孝: "‘Excavation at Sravasti,District Baharaich'" Indian Archaeology^-a review,1988-89. (1994)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 米田 文孝: "「サヘ-ト遺跡出土土器について(編年試案)」" 祇園精舎. 585-615 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 網干善教他: "『祇園精舎』(本文・図版・附図〈3分冊〉)" 関西大学, 1,200 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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