研究課題/領域番号 |
06041112
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 八戸工業高等専門学校 |
研究代表者 |
平川 武彦 八戸工業高等専門学校, 一般教科, 助教授 (50149902)
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研究分担者 |
岡村 茂 静岡英和女学院短期大学, 国際教養学科, 助教授
高橋 要 八戸工業高等専門学校, 一般教科, 助教授 (60188000)
太田 徹 八戸工業高等専門学校, 一般教科, 助教授 (40168943)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1994年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 高等専門学校 / IUT短期技術大学 / フランス教育制度 / 教育の国際交流 / 比較教育 / 高等教育の改革 / 高等教育 / 技術教育 |
研究概要 |
1.研究目的 高等教育の変革が求められており、高等専門学校(以下高専と略す)にあっても変革がはじまりつつある。その方向は、高専における教育分野の拡大と国際化の進行であろう。今後の変革に対して高専に勤務する者として高専制度を客観的に見据え適切に対処する必要がある。そのためには国際比較が有効である。フランスのI.U.T(Institut Universitaire de Technologie,技術短期大学)たいへん広範囲の分野で成功を治めていると言われている。この成功の原因を、小国ながら農業と工業のバランスの取れた成熟産業社会で多言語国家でありEUヨーロッパ連合の縮図といわれているベルギーの技術教育制度と比較調査をし、あわせて日本の高専制度と比較検討することが、本研究の目的である。 2.フランスの現状 現在教育改革の最中にあるIUTをはじめとして教育現場の実地調査やディレクターや教員の面接調査や文献調査を行なった。教育内容の変更も始まりつつあった。 (1)高等教育制度の改革の進行「Universites 2000」計画の進行により、各地に学部が新設され大学の学部数や学生数が急増している。IUTも、78年に66校269学部であったのが95年迄に190学部が増設され、定員も5万人72。5%増となり、約100校517学部の規模となる。一連の改革も97年に技術教育を最後に完成の予定である。 (2)国際化の進行 ERASMUSによる相互交流による留学生の受け入れを行なっており、企業実習先を国外に求めたり、卒業語の進学先として米国、英国、カナダ、ドイツ、その他の国の大学と提携している場合が多い。 (3)IUTの現状と教育改革 66年に創設時から、工学系、商学系や法学、保険衛生、統計、社会、情報の学部を有していたが、物質工学と通信情報網の2学部が93年に新設され学部は21種類となる。2年次には専門的学習のために全体で42のオプションがある。また、講義(90人で実施)よりも実験実習(14人で実施)や演習(28人で実施)の時間を多く取っている。2年間で最小で10週の企業研修を課している。この点で、ディプロム社会のなかで、若年層の失業率が高く、以前の世代に比べ経済状況の悪化(貧困化)の中にあってDUT(IUTの卒業資格)の就職機会や条件の優位性は現在もある。しかし、半数がグランゼコールやIUP(Institut Universitaire Professionnalises)、大学に進学して、さらに、上の資格を獲得している。このように、IUTの学生は多様な進路の選択が可能であり、IUTは入学選抜(書類選考)を行ない、国により教育内容や授業時間数などの規定があるため、大学に比べ約8割と学生の卒業率が高く、他方で、BAC+2(バカロレアの後2年)で同基準の技術リセで卒業後2年学習し国家試験により与えられるBTSに比べ、教養や視野の広がりを持つと言われている。 3.ベルギーの現状 (1)多言語国家として、仏語とオランダ語の行政府を持ち、仏語地域、オランダ語地域、混合言語地域(ブリュッセル)、ドイツ語地域に分けて小学校から大学まで教育を行なっている。 (2)親の教育権を大幅に認め、宗教的要因や公立・私立などの点で子供の学校を自由に選択できる。 (3)伝統的大学観のためか、多様で多くの職業教育・生涯教育機関あるが、大学との区分が明確である。 4.まとめと今後の研究計画 技術教育の概要は掴めたが、さらに内実に迫って行くために、教育内容中心とした比較調査研究の継続が必要不可欠である。ただ、成熟した高度産業社会においては、技術教育を工業だけに限る必要はなく、分野の拡大と多様性を持たせた意味の拡張が必要であろう。また、多様な階層の高等教育への入り口であり、リフレッシュ教育および生涯学習の点からも短期高等教育は重要性をもつ、しかし、社会の成熟度により持つ意味が異なろう。この点を明確にするために、日本とヨーロッパに、アジアを加えた比較検討を行ない、一番共通性の多い技術教育に関する情報ネットワークとデータ・ベースの構築を試みたい。 最後に、多忙ななか長時間にわたり学校や教育制度について説明をし、また、質問に丁寧に答え、必要資料を提供していただいた各地のIUTの学長、学科長、教務担当教員の方々に感謝を申し上げたい。
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