研究課題/領域番号 |
06041119
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 国文学研究資料館 |
研究代表者 |
安永 尚志 国文学研究資料館, 研究情報部, 教授 (20017411)
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研究分担者 |
ハリーズ フィリップ T オクスフォード大学, ウィーンズカレッジ, 教授
大山 敬三 学術情報センター, 研究開発部, 助教授 (90177022)
原 正一郎 国文学研究資料館, 研究情報部, 助教授 (50218616)
中村 康夫 国文学研究資料館, 研究情報部, 助教授 (60144680)
武井 協三 国文学研究資料館, 研究情報部, 助教授 (60105567)
松村 雄二 国文学研究資料館, 研究情報部, 教授 (10086689)
丸山 勝巳 国文学研究資料館, 研究情報部, 教授 (60280533)
立川 美彦 国文学研究資料館, 研究情報部, 教授 (60270419)
佐竹 昭廣 国文学研究資料館, 館長 (10025025)
HARRIES Phillip T The Queen's College, Oxford university, Professor
HARRIES Phil オックスフォード大学, クィーンズカレッジ, 教授
佐伯 眞一 国文学研究資料館, 整理閲覧部, 助教授 (80153831)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
24,800千円 (直接経費: 24,800千円)
1996年度: 8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
1995年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
1994年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
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キーワード | インターネット / SINET / 国際接続 / 国文学データベース / 日本語データベース / 日本学研究者 / データベースの共同利用 / CD-ROM / 伝本流布過程 / 日本古典文学情報処理システム / 日本語データベースサービス / 国文学研究資料館 / オンライン情報検索システム / 学術情報網 |
研究概要 |
本研究は1994年度から3ヶ年に渡って実施した。研究の目的は、国文学研究資料館に蓄積する各種の国文学データベースを、学術情報ネットワークを用いて、欧米の日本研究者に提供するための諸問題の調査研究と、実際に接続実験を通してその実現性を確認しようとするものである。 (1)第1年度 コペンハーゲンで開かれた欧州日本学研究集会(EAJS)の協力を得て、海外における日本語の処理システムやデータベースの実状および問題を調査し、まとめた。Oxford大学計算機センターの協力を得て、用意した日本語処理システムを実装し、各カレッジから直接国文学研究資料館へアクセスする技術を確立した。また、噺本大系CD-ROMを動作させることに成功した。College de Franceにおいて、共同研究計画を立案し、また接続実験を行い成功した。とりわけ、フランス国立図書館が進める電子化計画や世界的にも新しい電子出版物の納本制度について調査研究し、大きな知見を得た。イタリアでは日本研究者約30名から成る学会があり、これを母体とし、Venezia大学に拠点を置く合意が得られた。なお、正保版本歌集二十一代集を素材として、同国のコンピュータ上で動作確認を行った。 米国、カナダにおけるテキスト処理技術と実態の調査研究を行った。SGML(国際標準電子化テキスト記述言語)テキストに対するOpen Textシステムの日本語への対応性を検証した。CETH(人文学電子化テキストセンター)との共同研究の合意を得た。 (2)第2年度 人文科学とコンピュータ国際会議(ALLCACH-95)の協力を得て、とくに国文学研究者の実態を調査し、海外の国文学研究者総覧作成の準備を開始した。 国文学データベースへの直接接続実験を、オーストラリア(国立大学他)、英国(Oxford,Cambridge大学他)、仏国(College de France)、伊国(Venezia大学他)で実施し、成功した。情報ネットワークの実状と将来動向を調査した結果、趨勢はインターネットに移行しつつあった。日本語処理システム環境が各国毎に異なり、国文学研究資料館において事前準備を充分に行う必要があった。 CD-ROMによる国文学データベースの利用環境の整備を行い(オランダ、ドイツ)、またテキストア-カイブの実態とその利用方法を、とくに進んでいる英国において調査研究し、日本語テキストへの適用性を探り、成果を得た。 招へい研究者を交えてシンポジウム「コンピュータ国文学」を開き、研究成果の評価を行い、次年度への課題を含めまとめた。 (3)第3年度 チェコ、ポーランド、ハンガリーにおいて、日本研究者の実態、日本語の情報システムやデータベースの実態、要求事項などを調査した。インターネットなどの整備が進めば、直接国文学データベースへのアクセスが可能となり、教育、研究の活性化が進むため、大きな期待が寄せられた。 米国を中心に大学など研究図書館のデジタル化が活発で、これらの実状の調査を研究項目に加えた。また、CD-ROMによるマルチメディア型国文学データベースを、米国(UCLA,Princeton大学他)で、実証実験を行い、ピュアシステムなどに高い評価を得た。一方、欧米では情報処理用漢字は日本・中国・韓国(CJK)をひとまとめで扱っているため、問題が大きい。そこで、中国について同じ漢字文化圏における共通の関心事である国際標準文字セットの技術動向、国家的対応方法などを調査研究し、意見交換を行った。 総合的な取りまとめを、欧米の拠点とした英国(Oxford大学)、仏国(College de France)、伊国(Venezia大学)、米国(Princeton大学)で行い、実用化の見通しを得た。 国際会議ALLCACH-96(ノルウェー)において、研究成果の発表を行った。高い関心が寄せられ、早期の実用化が強く期待された。 また、CETH,College de Franceから2人の専門家を招き、「人文科学とコンピュータ」シンポジウムを実施し、これまでの評価を行った。 研究成果の公開の1つとして、要望の高いインターネット上でのWWWサーバを立ち上げ、国文学研究資料館のホームページを開設し、目録およびテキストデータベースなどの試験公開を行った。最終的な研究成果報告書を作成した。
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