研究課題/領域番号 |
06042001
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | がん調査 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
深尾 彰 東北大学, 医学部, 助教授 (80156736)
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研究分担者 |
姚 文慶 中国遼寧省腫瘤研究所, 副主任
馬 志遠 中国遼寧省腫瘤研究所, 所長
辻 一郎 東北大学, 医学部, 講師 (20171994)
小山 洋 東北大学, 医学部, 助教授 (30143192)
大堀 均 北里大学, 獣医畜産学部, 教授
川村 美笑子 東北大学, 農学部, 助手 (70094745)
関根 仁 東北大学, 医学部, 助手 (90241596)
大原 秀一 東北大学, 医学部, 助手 (40223929)
YAO Wenging Liaoning Cancer Institute,
MA Zhiyuan Liaoning Cancer Institute,
坪野 吉孝 東北大学, 医学部, 助手 (00250746)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1995年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1994年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | 胃がん / ペプシノゲン / ヘリコバクア・ピロリ感染 / βカロチン / 慢性萎縮性胃炎 / 血清疫学 / 中国 / 症例対照研究 / ヘリコパクタ・ピロリ / 萎縮性胃炎 |
研究概要 |
1.中国瀋陽市における慢性萎縮性胃炎およびヘリコバクタ・ピロリ感染の有病率 瀋陽市の血液センターより、20歳代から40歳代までの献血者380検体のパイロットの供与を受け、ペプシノゲンI、II値、IgG型抗ヘリコバクタ抗体、βカロチンの測定を行ない、宮城県での同年代の献血者の結果と比較検討を行なった。 ペプシノゲンI<70mg/dlかつペプシノゲンI/II比<3.0をカットオフポイントとして慢性萎縮性胃炎を定義すると、瀋陽市におけるその有病率は男性5.2%、女性10.3%で、宮城県における有病率(男性30.0%、女性26.7%)に比して極めて低いことがわかった。 瀋陽市におけるヘリコバクタ抗体の有病率は、男性40.3%、女性39.0%で、宮城県(男性50.8%、女性35.0%)に比べて男性で低い傾向が見られた。 βカロチン値については、瀋陽市の男性20.3±20.8μg/dl、女性32.7±28.7μg/dlと男性が有意に(p<0.01)低かった。これらの結果は、宮城県(男性18.2±25.1μg/dl、女性38.3±34.2μg/dl)の結果と差が見られなかった。 以上の結果は、慢性萎縮性胃炎の成因としてヘリコバクタ以外の要因が関与していることを示唆するものと考えられる。 2.中国における胃がんの組織学的特徴 瀋陽市における胃がん症例60例について、病理組織学的検討を行なった。これらのうち、低・未分化がんの占める割合は男性で51.4%、女性で69.6%であり、わが国のそれ(男性30.6%、女性54.1%:平成4年度日本消化器集団検診学会全国集計)に比べて高率であることが判明した。このことは、瀋陽市では高分化(腸型)胃がんの前がん病変とされる慢性萎縮性胃炎の有病率が低いという知見を矛盾しない結果であった。 3.中国における胃がんの症例・対照研究 慢性萎縮性胃炎、ヘリコバクタ感染などの寄与度を算定することを目的とした症例・対照研究を行なった。 方法は、遼寧省腫瘤病院およびその関連病院で胃がんと診断された者(症例)、およびそれらと性・年齢・入院病院をマッチさせた患者対照(1:3)に対して特別にトレーニングを行った医師および医療従事者がインタビューによりライフスタイルに関する調査を行った。同時に血清を採取し、日本に移送していくつかの血清マーカーを測定した。 その結果、1995年9月までに204例の症例、および612例の対照が集積されたが、症例の3例、対照の4例は、移送中の事故などにより血清量が十分得られなかったため除外し、症例201例、対照608例について解析を行った。単変量の解析では、胃がん症例には胃がん家族歴(症例8.0%:対照2.5%)、喫煙習慣(63.7%:48.7%)、漬物頻回摂取(36.8%:29.1%)、慢性萎縮性胃炎(45.8%:11.5%)、ヘリコバクタ感染を有する者(63.2%:48.0%)が有意に多く、塩魚(1.0%:5.8%)、果実の頻回摂取者(28.4%:49.0%)が有意に少なかった。この傾向は、性、年齢のほか要因の相互の関連を補正した重回帰分析でも認められ、それぞれ独立して胃がんに関連していることが示唆された。 献血者を対象とした有病率研究では、中国における萎縮性胃炎の有病率はわが国に比して低率であるが、ヘリコバクタ感染の有病率は大差がないことが見られた。このことは、今考えられているヘリコバクタ感染-慢性萎縮性胃炎-胃がんというシークエンスの仮説に一見矛盾しているかに見えた。しかし、今回の症例・対照研究のような個体レベルの検討では、ヘリコバクタ感染および慢性萎縮性胃炎は胃がんと強く関連んしていることが認められ、その仮説を支持する結果であった。また、これまでの疫学研究でも認められていたように、喫煙が胃がんのリスクを上げ、果実の摂取がリスクを下げていた。
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