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ロシア極東企業の株式会社化と職場組織の反応に関する共同研究

研究課題

研究課題/領域番号 06044001
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分共同研究
研究機関北海道大学

研究代表者

荒又 重雄  北海道大学, 経済学部, 教授 (90000687)

研究分担者 アナトリー ミハイロヴィ  ロシア科学アカデミー, 極東支部・経済研究所, 部長
エカテリナ レオニートウ  ロシア科学アカデミー, 極東支部・経済研究所, 学術書記
オレーク マルユヴィッチ  ロシア科学アカデミー, 極東支部・経済研究所, 部長
パーヴェル アレクサンド  ロシア科学アカデミー, 極東支部・経済研究所, 所長
宮坂 純一  奈良産業大学, 経済学部, 教授 (30128821)
加藤 志津子  明治大学, 経営学部, 助教授 (30202013)
小田 福男  小樽商科大学, 教授 (80125377)
奥林 康司  神戸大学, 経済学部, 教授 (90030717)
大津 定美  神戸大学, 経済学部, 教授 (20081119)
望月 喜市  北海道大学, 名誉教授 (80002989)
SHKURKIN Anatorii m.  Doctor, Head of Division
MOTRICH Ekaterina l.  Doctor, Academic Secretary
RENZIN Oleg m.  Doctor, Head of Devision
MINAKIR Pavel a.  Institute of Economic Research, Far-Eastern Branch, Russian Academy of Sciences,
研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1994年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
キーワード極東ロシア / 労働態度 / 企業私有化 / アンケート調査 / ストック・バウチャー / 労働調査
研究概要

本年度の研究を進めるにあたり、当初研究ティームは、具体的に次の3つの分野を予定した。第1は、以前から続けて来ていた研究、すなわち労働者の社会的性格を、自己の労働と仲間への態度を通じて分析する研究を、1993年度において遂行したアンケート調査と同じ職場で、再度行うことによって、急変する事態に対応した変化の把握を試みることである。第2は、企業資産の私有化を進めるための方法の一つとして採用されていた、住民へのバウチャー(株式と交換できる証券)配布の方法が、住民にどのように受け止められているかを、居住区でのアンケート調査によって把握することである。第3は、資産フォンドへの聞き取り調査によって、企業私有化のために株式が公開される時点で、資産フォンドがどのような政策的意志を示すことになるのかを、推察することである。
第1の分野については、前回の調査地点からレストラン・サッポロを除外した残りの3企業、すなわらエネルゴマ-シ、レンマーシ、および縫製工場ヴォストークにおける追跡調査として、研究を成功させることが出来た。もっともサンプル数は、前回の698(レストラン・サッポロを除いて)に対して、今回は385と縮小したが、企業活動の縮小と経済的不振の中で潜在的不満を募らせている労働者たちからの66項目もの聞き取りとしては、十分に成功であると判断している。
第2の分野については、当初計画していた居住区からいくつかの集合住宅を選び、そこでの集中的聞き取りという案に対し、実際には、ロシア側の特段の努力により、選挙人名簿からのランダム・サムプリングによる調査対象の確定という、本格的手法により、かつ、質問項目は12と小さいながらも、750名からの回答を得た。これも十分に成功であったと判断される。
第3の分野については、体系的な聞き取りは出来なかった。要路はそぞれに忙しく、日本側ティームの短い滞在期間に十分な接触の機会を得ることが難しいかったし、また、関心を直接に高度の政策意志の領域に向けると、アカデミックな資料は得難い。しかし、日本側ティームは現地での研究の過程で、民営企業の一つとしての複数の投資基金の経営責任者と面接する機会を得て、貴重な情報を獲得した。
年度の終わりには、特に第1と第2の分野における研究で得られた第1次資料を中心に、これの基礎的分析、副産物として得られた資料、ティーム・メンバーの関連する研究成果を取り混ぜた5分冊の研究報告書を、印刷に付し各方面に配布した。
詳しくはその報告書に記載されているとおりだが、この場にも今回の研究を通じての基本的な発見について最小限度で記載すると、以下のごとくである。ペレシトロイカと市場経済への移行を受容した極東ロシアの労働者たちの社会心理には、未だ大きな変化はない。しかし、マクロ経済政策の成功が見えて来ない当面の現実の中で、経営責任を取らなくて良い国営企業へのノスタルジ-が強まっており、また、気の置けない職場の労働者集団への積極イメージを維持させつつも、労働者集団を通じての企業への結集は、未だ見られない。労働者の社会心理の無政府性への傾斜は強まっている。労働者たちは、職場に通じて配布された自分の勤務する企業の株式は、他に転売するよりは自己の手に保持しているが、配布されたバウチャーを通じても自分の勤務する企業の株式を取得しようとする行動は強くはない。バウチャーの利用方法を巡って見えて来るのは、半ば公的機関に見える投資基金へ信託する行動であるが、投資基金が住民の中に起業意欲を掘り起こし発見しているかとなると、未だしと見なくてはならない。関連して印象深い特徴的な事例は、中間管理者の集団が指導権を把握して、職場集団による所有の性格の強い株式会社を出発させていたエネルゴマ-シに、株式市場を通じての支配株買い占め、次いで経営の乗っ取りが起こっていて、乗っ取りを掛けた新経営者を、ある投資基金が、初発の時点から支援していたというものである。

報告書

(1件)
  • 1994 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (12件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (12件)

  • [文献書誌] 荒又重雄編: "科学研究費補助金助成研究報告極東ロシアにおける企業私有化と労働関係、第1冊1992年ハバロフスク労働調査" 北海道大学経済学部, 113 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 荒又重雄編: "科学研究費補助金助成研究報告極東ロシアにおける企業私有化と労働関係、第2冊1994年ハバロフスク労働調査" 北海道大学経済学部, 91 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 荒又重雄編: "科学研究費補助金助成研究報告極東ロシアにおける企業私有化と労働関係、第3冊極東ロシアの外国人労働者(ハバロフスク地方)" 北海道大学経済学部, 56 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 荒又重雄編: "科学研究費補助金助成研究報告極東ロシアにおける企業私有化と労働関係、第4冊バウチャー利用方途調査(1994年ハバロフスク市)" 北海道大学経済学部, 109 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 荒又重雄編: "科学研究費補助金助成研究報告極東ロシアにおける企業私有化と労働関係、第5冊1993年ハバロフスク労働調査" 北海道大学経済学部, 93 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 荒又重雄編: "科学研究費補助金助成研究報告極東ロシアにおける企業私有化と労働関係、第6冊極東ロシアの労働市場" 北海道大学経済学部(予定), (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Shigeo Aramata ed.: Firm Privatization and Labor Relations in Far-Eastern Russia, A Report of Monbusho International Scientific Research Program, Book one, Labor Research in Khabarovsk in 1992. Hokkaido University, 1-113 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Shigeo Aramata ed.: Firm Privatization and Labor Relations in Far-Eastern Russia, A Report of Monbusho International Scientific Research Program, Book two, Labor Research in Khabarovsk in 1994. Hokkaido University, 1-91 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Shigeo Aramata ed.: Firm Privatization and Labor Relations in Far-Eastern Russia, A Report of Monbusho International Scientific Research Program, Book three , Foreign Workers in Far-Eastern Russia (Khabarovsk District). Hokkaido University, 1-56 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Shigeo Aramata ed.: Firm Privatization and Labor Relations in Far-Eastern Russia, A Report of Monbusho International Scientific Research Program, Book four, Research on the Khabarovchanin's Way to utilize Voucher for Company Stock. Hokkaido University, 1-109 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Shigeo Aramata ed.: Firm Privatization and Labor Relations in Far-Eastern Russia, A Report of Monbusho International Scientific Research Program, Book five, Labor Research in Khabarovsk in 1993. Hokkaido University, 1-93 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Shigeo Aramata ed.: Firm Privatization and Labor Relations in Far-Eastern Russia, A Report of Monbusho International Scientific Research Program, Book six, Labor Market in Far-Eastern Russia. Hokkaido University, forthcoming, (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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