研究課題/領域番号 |
06044011
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
岸 徳光 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (30153076)
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研究分担者 |
小室 雅人 室蘭工業大学, 工学部, 助手 (10270183)
菅田 紀之 室蘭工業大学, 工学部, 講師 (80187632)
小畑 誠 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (30194624)
CHEN WaiーFah Purdue Univ, School of Civil. Eng., 教授
後藤 芳顯 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (90144188)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1995年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1994年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 限界状態設計法 / 半剛結接合 / 鋼骨組構造 / 三要素パワーモデル / 線形化有限変位解析 / 有効座屈長係数 / B_1 / B_2法 |
研究概要 |
限界状態設計法に基づいた半剛結接合鋼骨組構造の設計手法を開発することを目的として研究を行い、ほぼ計画通りの研究成果を得ることができた。以下に各項目毎に列挙する。 (1)終局時の柱の曲げモーメント評価および終局耐力に関する安全照査式に用いられている柱の有効座屈長係数算定用プログラムの開発を行った。本プログラムは、米国鋼構造協会の荷重係数設計法(AISC-LRFD)の設計基準で剛結接合鋼骨組に対して用いられているアライメントチャート法によって得られる値を初期値として用い、繰り返し計算によって効率的に正確値が得られるように作成されている。 本解析プログラムを用いて、非線形な剛性特性を有する一層一径間半剛結接合骨組柱の有効座屈長係数について、接合部の初期剛性や限界曲げ耐力を変化させた場合の分布特性について検討を行った。また、LuiやBarakat-Chenの簡略手法による解と比較することにより、それら簡略解は必ずしも安全側の設計にならないことを明らかにしている。さらに、多層多径間の半剛結接合鋼骨組柱に関する有効座屈長係数の解析を行い、より合理的な半剛結接合鋼骨組構造にするためには、第一層目の梁と柱の接合部を剛結接合にするべきであることを明らかにしている。 終局時の剛結接合鋼骨組柱の曲げモーメントの算定には、有効座屈長係数を用いたB1/B2法が採用されている。本プログラムの開発によって、半剛結接合鋼骨組柱に対してもこの手法が応用できるようになった。数値解析によってその応用の妥当性を示すことができた。また、B2のみを用いるほうが簡略でかつ安全側の値を与えることより、実設計ではB2のみを用いるべきであることを数値解析的に明らかにしている。 (2)エンドプレート系接合に関する接合部剛性評価に関し、更新されたデータベースを用いて梁の材端モーメントや骨組の横移動量に関し数値解析的に検討を行った。その結果、初期剛性が10^6kip-in/radian以上の場合は、剛結接合と仮定できることを示した。また、剛結接合と半剛結接合の境界線に関するEC3の規定及びBjorhovde等の提案式はいずれもほぼ妥当な値を与えることを明らかにしている。 エンドプレート系接合の限界曲げ耐力評価に関しては、接合部の7つの崩壊パターンについて検討を行い、各パターン毎に評価式を定式化している。 (3)設計システムの構築に関し、これまで検討を行った骨組を構成するH型鋼、アングル材、締結材の型式に関するデータベース、接合部の非線形な剛性評価プログラム、非線形な接合部剛性特性を考慮した線形化有限変位プログラム、柱の有効座屈長係数算定用プログラム、B1/B2法による終局時の柱の曲げモーメント算定に関するプログラム、柱の終局耐力照査用プログラムおよび図化プログラムの7つの各機能を有機的に結合させて、限界状態設計法特に米国AISC-LRFDの設計基準に基づいた半剛結接合鋼骨組の断面設計システムを構築した。本システムは実務に供することを目的としているため、入力データ、接合部の剛性特性、各柱の有効座屈長係数の分布特性、構造解析および安全照査結果等が図化プログラムによって容易に確認できるように工夫されている。また、部材断面や接合部パラメータの変更も容易に行えるようになっている。 以上、本研究成果により限界状態設計法に基づいた半剛結接合鋼骨組構造物の断面設計が実務的にも可能になったものと考えられる。 なお、本研究の成果の一部は、W.F.Chen,Y.Goto,R Liew著の「Stability Design of Semi-Rigid Frames」や、米国土木学会構造部門会議、環太平洋鋼構造会議、英国土木学会論文集、Computers & Structures、日本鋼構造年次論文報告集等に発表されている。
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