研究分担者 |
WHINNERY J.R カリフォルニア大学, 工学部, 教授
GUSTAFSON T. カリフォルニア大学, 工学部, 教授
AMANO M. スタンフォード大学, 医学部, 助手
TOWNS C.H. カリフォルニア大学, 理学部, 教授
MIROV S. アラバマ大学, 理学部, 助教授
SCHAWLOW A.L スタンフォード大学, 理学部, 教授
MC Cutcheon アラバマ大学, 工学部, 教授
MC Ghee J.R. アラバマ大学, 免疫ワクチンセンター, 所長教授
石川 悟 日立製作所, 日立総合病院, 泌尿器科主任医長
岡 裕爾 日立製作所, 日立総合病院, 副院長 (20160658)
妻鹿 純一 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (40190946)
亀丸 俊一 北見工業大学, 工学部, 教授 (60175289)
清野 宏 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (10271032)
久保田 俊夫 茨城大学, 工学部, 講師 (40143143)
辻 龍助 (辻 龍介) 茨城大学, 工学部, 助教授 (40188537)
白石 昌武 茨城大学, 工学部, 教授 (10091860)
MCCUTCHEON M University of Alabama at Birmingham, Professor
MCCUTCHEON M アラバマ大学, 工学部, 教授
MCGHEE J.R. アラバマ大学, 免疫ワクチンセンター, 所長教授
SCHAWLOW A L スタンフォード大学, 理学部, 教授
GUSTAFSOR T. カリフオルニア大学, バークレイ校・工学部, 教授
KIYONO H. アラバマ大学, バーミングハム校・メディカルセンター, 教授
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配分額 *注記 |
15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
1996年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1995年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1994年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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研究概要 |
本研究は茨城大学工学部・アラバマ大学バ-ミングハム校・スタンフォード大学医学部を中核として,平成6年度に3年計画で開始した。当初の研究計画に記したように本研究は,平成2年度から4年度にかけて実施された大学間協力研究の成果を基に新しい免疫検査システムの構築と実用化を目指して逐次検討を進めた。総合的に判断して,当初の目的はおおむね達成できたと判断しているが,最終目標であるILISPOT-IDIP法の完全自動化と実用化には今一歩およばなかった。以下に,具体的に進捗状況および成果をまとめる。 1.ILISPOT-IDIP法システム全般に関する成果 ILISPOT-IDIP法の実システムの実験的な検討については,アラバマ大学のグループおよび大阪大学清野教授が担当した。 ハード部分のパーソナルコンピュータによる自動化を目標として検討を進めた。その結果,顕微鏡試料台の自動アドレッシング制御および自動焦点機構の構築を達成した。 ソフト的には画像処理系が未だに半自動であるが,アドレッシング制御用ソフトと画像処理系との連携も達成している。 本システムの画像処理の自動化の最大の障壁であった擬似スポットと真スポットの識別法についても,パターン認識を導入したアルゴリズムにより,これらのスポットを自動的に判別することも可能となり,システム全体の完成度はかなり高いレベルに到達していると判断している。 2.光源に関する成果 ILISPOT-IDIP法用の新しい光源として,レーザー光は強力かつ収差がないためもっとも好適である。特に,Mirov博士が精力的に研究を行っている広帯域カラーセンターレーザーは非常に有力であるが,現在の装置は大型であるため,装置の小型化が実用化の鍵となると判断し,波長選択技術とともに実用化に向けた討論を行った。 しかし,水銀ランプあるいはキセノンランプを使用した現行のILISPOT-IDIP法の確立と実用化が先決であるとの判断から,藤井教授の検討項目である「レーザー光の波長選択技術」とMirov助教授の検討項目である「広帯域カラーセンターレーザー」のそれぞれの基礎技術の確立につとめそれぞれの分野で大きな進展をみた。これらの成果のILISPOT-IDIP法への適用については今後検討を続行することになる。 3.蛍光色素について ILISPOT-IDIP法用蛍光色素として,脂溶性,細胞膜透過性,水溶性,強い蛍光強度などの特性を満足するものが望まれていたが,そのような色素として,含フッ素色素が期待された。久保田講師が含フッ素色素の合成を検討し,三種類の新規な含フッ素BODIPY系蛍光色素の合成に成功した。この成果については,日米化学会の合同シンポジウムで公表された。しかし,ILISPOT-IDIP法への適用に関しては抗体やDNAとの結合法など染色プロトコールについて解決すべき問題点を残す結果となった。 4.免疫系の研究 アラバナ大学および大阪大学の免疫系研究担当者は,ILISPOT-IDIP法を用いた極微量タンパクであるサイトカイン類の定性・定量の概念の構築を行い,エイズや癌の免疫学への応用を実装置で検証する段階に近づいている。ま,免疫系研究担当者らの主たる研究テーマの一つである「粘膜免疫系のサイトカイン産生」に本システムのプロトタイプとしてコンピュータ画像解析を用いた自動化ELISPOT法を腸管のリンパ球によるタンパク質レベルでのサイトカイン産生能の測定に応用し,測定時における誤差の大幅な減少と測定時間の短縮が可能であることを実証している。
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