研究課題/領域番号 |
06044030
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
戸嶋 信幸 筑波大学, 物理工学系, 助教授 (10134488)
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研究分担者 |
JORG Eichler ハーン, コイトナー研究所・重イオン物理部門, 教授
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 相対論的イオン衝突 / 電子・陽電子対生成 / 電荷移動 / クーロン境界条件 |
研究概要 |
以前の電荷移動に対する相対論的対称アイコナ-ル近似の重大な欠陥を指摘した戸嶋・Eichlerの論文に対して、昨年Glassらが批判と受け取れる論文を発表したが、彼らの論文を検討した結果、むしろ彼らの解析に根本的な誤りがあり緊急に指摘されねばならないと結論し、7月の戸嶋の訪独の際最優先のテーマとして共同研究を行った。10月末よりのEichlerの来日を利用して、最終的な議論を行い論文ほ作成、投稿した。相対論的なディラック方程式を変分法により解くと、負のエネルギーの連続状態の存在のためいわゆる変分原理が満たされず、エネルギー固有値が底なしに落ちるvariational collapseの問題が起こる。これに対して我々は、ハミルトニアンの逆べきについての変分をとれば、非相対論的な場合と同様、有界な固有値が得られることを見いだした。この原理を利用して、ガウス基底を用いた変分コードを作成し、波動関数、エネルギー固有値とも満足のいく結果を得た。申請期間が短縮された点を考量して、期間内にまとまった成果を出せるよう計画規模の縮小を行い、とりあえずは-中心コードをハーン・マイトナー研究所のIonescu研究員の協力の下に開発を行った。真の連続状態を重ね合わせて離散化したコードと比較して、慎重にデバッグを行った。相対論的なイオン原子衝突を理論的に扱うには、クーロン境界条件を正しく満足するように定式化を行わねばならず、この点を軽視するとオーダーする正しく与えない結果を得る可能性がある。先に発表された、ドイツのグループによる-中心展開による計算では、境界条件が正しく取り込まれておらず、これが計算上の大きな障害になっていることを見いだした。
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