研究課題/領域番号 |
06044032
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
田中 真奈実 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (80188341)
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研究分担者 |
CRAIG Venter 遺伝子解析研究所, 総師
DAVID Rollin 大英博物館, (自然歴史博物館), 上級主任科学管理官
SERGIO Pena ミナスジェライス州立大学, (人類遺伝学)・(医用遺伝学研究所), 教授(総師)
ANDREW Simps ミナスジェライス州立大学, (生化学), 教授
平井 啓久 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (10128308)
永渕 成夫 国立小児病院, 小児医療研究センター・先天異常研究部・遺伝染色体研究室, 室長 (70218022)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
10,700千円 (直接経費: 10,700千円)
1995年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1994年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | ゲノムマッピング / YACライブラリー / 住血吸虫症 / EST / 疾病関連遺伝子 / トランススプライシング / 熱帯病予防・治療ネットワーク / WHO / TDR |
研究概要 |
本プロジェクトは、構想から3年を経過したが、本年寄生虫学にとって新世紀を開くものとして世界に広く認められることになった。本研究成果の一部は、Parasitoloty Today最新号に"本研究は寄生生物ゲノムブロジェクトの発足(新世代の登場)として長く伝えられることであろう"と特別紹介ページが組まれるに至った。その進展は、1)YACライブラリーを基本とするトータルゲノムプールの完成、2)YACクローンを用いたゲノムマッピング、3)疾病関連遺伝子群の決定(情報伝達システム、膜リガンド、生殖・分裂調節遺伝子等)、4)種・株別変異の解析、と当初の予定通り進み、それぞれの遺伝子のスプライシング機構(トランススプライシング)を加えたゲノム解析が活発に行われた。さらに国際共同研究として寄生虫学のみならず広い分野の海外の学会にて招待公演・ワークショップを行ったのはもちろん、5)世界ネットワークによる研究の拡大(グローバルリサーチネットワーク、新たに英国王立癌研究基金、米国NIH情報センター、パスツール研究所、マックスプランク研究所等よりの共同研究申込が相次ぐ)、国際学術調査(文部省)に関わる諸研究者のための6)熱帯病予防・治療ネットワーク、へと拡大し、研究の応用性として考えるべき健康管理法への発展を見た。EST(expressed sequence tag)の解析により、2000種以上の構造遺伝子が決定され、その中には、1989年研究代表者が記載したレトロウイルス関連遺伝子も発見された。住血吸虫における宿主関連遺伝子配列に関しては、長い間世界的論争の的であったが、これにより、田中の報告が世界的に認知され、また、成長期別遺伝子再構成に関しては、1990年の論文のデータがrDNA遺伝子であったため、一時意見を保留していたが、今回telomiric sequence、第3染色体特異的反復配列による同現象を認め、5年間にわたる論争に終止符を打ち、世界に日本の科学として大きな反響を呼んだ。このような目覚ましい成果と世界的波及効果(WHO/TDRの基幹研究として採択)は、ゲノムプロジェクトタイプの研究によってのみ可能になるものであり、早期に研究方法の限界を打ち破り、新しい分野として独立して進展させたことに大きな意義があったと考える。
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