• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

物性物理への場の理論の応用

研究課題

研究課題/領域番号 06044043
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分共同研究
研究機関東京大学

研究代表者

甲元 眞人  東京大学, 物性研究所, 助教授 (40205349)

研究分担者 初貝 安弘  東京大学, 工学部, 講師 (80218495)
WEN Xiao Gan  マサチューセッツ工科大学, 物理学科, 助教授
ZEE Anthony  カリフォルニア大学, 理論物理研究所, 教授
WU YongーShi  ユタ大学, 物理学科, 教授
AVISHAI Ysha  ベングリオン大学, 物理学科, 教授
永長 直人  東京大学, 工学部, 助教授 (60164406)
押川 正毅  東京大学, 工学部, 助手 (50262043)
ANTHONY Zee  カリフォルニア大学, 理論物理研究所, 教授
YONGーSHI Wu  ユタ大学, 物理学部, 教授
研究期間 (年度) 1994 – 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
1995年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1994年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
キーワードランダム2行列模型 / 排他的統計 / ベ-テ仮説 / 量子群 / フラクタル / 分数量子ホール効果 / ランダムネス / 場の理論 / 分数統計 / 電子相関 / ランダム行列 / ユニバーサリティー
研究概要

本研究は、米国ならびにイスラエルの研究者達と議論を交し、現在の物性物理の種々の問題を解明することを目的とした。以下にその具体的な成果を述べる。
1)Avishai、初貝、甲元はディスオーダーのある系の新しいユニバーサリティークラスを求めるために、ランダム2行列模型を研究した。特に、二つのエネルギーレベルの相関を計算し、ガウシアンユニタリーアンサンブルの場合よりレベル間隔の反発が強いことを示した。
2)初貝、甲元、高麗、Wuは、ボゾンでもフェルミオンでもない排他的統計をもつ理想気体(エクスクル-ゾン)が、ベ-テ仮説で解ける一次元XXZスピン鎖、ハバ-ド模型の低エネルギー状態を記述することを示した。また、任意の次元で可解となりモット金属絶縁体転移を示す模型等の場合は、このエクスクル-ゾンによる記述が厳密になることを議論した。さらに、ベ-テ仮説を用いる際には、ストリング解と呼ばれる状態が低温での熱力学に重要な働きをすること、高次元可解模型がスピンと電荷の分離をおこしていることを示した。
3)初貝、甲元、Wuは磁場のかかった2次元のタイトバインディング模型の1電子状態波動関数を量子群を用いて研究し、この系のハミルトニアンが量子群の生成元の線形結合で書けることを示した。また、Wiegmann、Zabrodinによると、この電子の波動関数を求めることはベ-テ仮説方程式を解くことと同値である。このベ-テ方程式をいろいろな状況において解き、フラクタルの性質を持つ波動関数、規格化のできない波動関数など興味深い波動関数を得た。
4)永長、甲元は分数量子ホール効果を実効的に記述するものとして、チャーンサイモンゲージ場と分数電荷を持つボゾンからなる作用を研究した。この際、Wen、Zee達との議論は非常に意味深いものであった。この有効作用は、単に適当なゲージ場の境界条件を課すことだけによりゲージ交換のもとで不変であることが示された。従来の議論においては、作用のゲージ不変性はかならずしも物理的とは言えない一次元の作用(エッジモードと呼ばれている)を手で加えることによって回復していたことに注意したい。いくつかの状況でこの作用を調べてやると、分数量子ホール電流が量子化していること、境界から内部へ向けて指数関数的に減衰するエッジと呼ぶべきモードを取り出すことは、電場を加えることなしには困難であることなどを議論した。
5)山中、Avishai、甲元は一次元においてランダムネスによる電子の局在を調べた。転送行列を用いた計算を数値的に実行することにより、ある模型が新しいユニバーサリティーに属していることを見い出した。
6)Avishai、甲元は二次元のランダム磁場中の電子のエネルギースペクトラムを研究し、その相関が、氷上とZeeによって発見されたバイパ-タイトのエルミート行列に関するランダム行列模型で代表される新しいユニバーサリティーに属していることを示した。これは、新しい数学の物理系における実現として興味深い。
7)初貝、Wen、甲元はランダムネスのある二次元の系の臨界現象を研究するために、ランダムボンド、またはランダム磁場をもつ模型を調べ、ゼロエネルギー状態の付近では、虚のランダム化学ポテンシャル、実のランダム質量、虚のゲージ場に結合した二つのディラックフェルミオンで記述できることを示した。Ludwig達の結果により、この模型が、ゼロエネルギー、弱いランダムネスではクリティカルである可能性が高いことを指摘した。

報告書

(2件)
  • 1995 研究成果報告書概要
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (12件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (12件)

  • [文献書誌] T.S.Kobayakawa,Y.Hatsugai,M.Kohmoto,and A.Zee: ""Universal Correlations between Eigenvalues of Random Matrices"" Phys.Rev.E. 51. 5365 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Y.Avishai,Y.Hatsugai,and M.Kohmoto: ""Two-Matrix Models and Their Possible Relevance to Disorder Systems"" to be published in Phys.Rev.B.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Y.Hatsugai,M.Kohmoto,and Y.S.Wu: ""Quantum Group,Bethe Ansatz and Bloch Electrons in a Magnetic Field"" to be published in Phys.Rev.B.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] N.Nagaosa and M.Kohmoto: ""Edge and Bulk of the Fractional Hall Liquids"" to be published in Phy.Rev.Lett.(1995).

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] T.S.Kobayakawa, Y.Hatsugai, M.Kohmoto, and A.Zee: "Universal Correlations between Eigenvalues of Random Matrices" Phys Rev.E. 51. 5365 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Y.Avishai, Y.Hatsugai, and M.Kohmoto: "Two-Matrix Models and Their Possible Relevance to Disorder Systems" Phys Rev.B. to be published.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Y.Hatsugai, M.Kohmoto, and Y.S.Wu: "Quantum Group, Bathe Ansatz and Bloch Electrons in a Magnetic Field" Phys Rev.B. to be published.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] N.Nagaosa and M.Kohmoto: "Edge and Bulk of the Fractional Hall Liquids" Phys.Rev.Lett.(1995). to be published.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Y.Hatugai: "Explicit Solutions of the Bethe Ansatz Equations for Bloch Electrons in a Magnetic Field." Physical Review Letters. 73. 1134-1137 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] T.S.Kobayakawa: "Universal Behavior of Correlations between Eigenvalues of Random Matrices" Physical Review E. (出版予定).

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] N.Nagaosa: "Tunneling through a barrier in a Coulombgos confined in a quantum wire." J.Phys.Soc.Jpn.63(2). 413-415 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] N.Nagaosa: "Non magnetic Impurity in Spin Gap State" Phys.Rev.B. (出版予定).

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

URL: 

公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi