研究分担者 |
坪井 誠司 東京大学, 地震研究所, 助手 (90183871)
末次 大輔 建設省, 建築研究所, 研究員
武尾 実 東京大学, 地震研究所, 助教授 (00197279)
JUN M.S. 韓国地質鉱山物質研究所, 研究員
PUSPITO N.T. インドネシア, バンドン工大, 講師
XU GーM. 中国科学技術大学, 教授
DROZNINE D. ロシア科学アカデミー火山研究所, 計測地震学研究部, 研究員
TRETIAKOV V. ロシア共和国パラナ地震観測所, 所長
VIKULINE A.V ロシア科学アカデミー火山研究所, 計測地震学研究部, 主任研究員
GORDEEV E.I. ロシア科学アカデミー火山研究所, 計測地震学研究部, 研究部長
吉田 満 東京大学, 地震研究所, 助手 (00012948)
山田 功夫 名古屋大学, 理学部, 助教授 (60022670)
NANANG T. Puspito Bandung Istitute of Technology, Indonesia
VLADIMIR Tretiakov Palana Seismological Observatory, Russia
DMITRI Droznine Institute of Volcanology, Russian Academy of Sciences
ALEXANDER V. Vikulin Institute of Volcanology, Russian Academy of Sciences
EVGENII IL'ICH Gordeev Institute of Volcanology, Russian Academy of Sciences
XU Guoming University of Sciences and Technology of China
MYUNG-SOON Jun Korea Institute of Geology, Mining and Materials
XU G.M. 中国科学技術大学, 教授
BALESTA S.T. ロシア共和国火山研究所, 計測地震学・研究部, 主任研究員
VIKULIN A.V. ロシア共和国火山研究所, 計測地震学・研究部, 主任研究員
川勝 均 東京大学, 地震研究所, 助教授 (60242153)
ゲラー ロバート 東京大学, 理学部, 助教授 (40170154)
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研究概要 |
1.ロシア連邦カムチャトカ半島北部カメンスコエ観測点は平成6年10月から広帯域地震計STS1により観測を開始したが、機器不調のため2成分(上下動、東西動)の観測であった。平成7年9月に整備を行い、3成分観測が開始された。現在順調にデータが回収され、波形解析を行っている。 2.インドネシア、スマトラ島北部パラパット観測点では、昨年度の整備により恒温観測壕によって長周期ノイズが画期的に減少し、停電対策用電源によって観測が安定したが、磁気テープドライブに問題があり波形ファイルが一部失なわれる問題が生じた。長周期ノイズの減少を機に、従来からの課題であった観測の長周期化のため、広帯域地震計STS2型をSTS1型へ転換するとともに、磁気テープ記録を止めて光磁気ディスクへと転換した。 3.これまで得られたデータに基づいてインドネシアのスンダ弧とバンダ弧の地震テクトニクス構造の解析を行った。データとして他に、地震活動、地下構造、重力、地殻熱流量を用いた。これらの結果、インドネシア島弧はその地球物理的特徴から、大きく西スンダ弧、東スンダ弧、バンダ弧に分割しうることを見い出した。西スンダ弧では地震活動は深さ250kmまでだが、沈み込むスラブは500km程度まで認めることができる。東スンダ弧、バンダ弧は、ともに深発地震が600km付近まで見られるが、沈み込むスラブは東スンダ弧でもっとも深く、下部マントルまで達している。正の重力以上も東スンダ弧が最も強い。背弧の地殻熱流量は西ほど高く、東に向かうにつれて減少する。 4.北西太平洋の海溝地震帯での大地震について、時空間分布を解析した。その結果、これまで知られていた地震帯に沿う震源の移動だけでなく、地震帯内での横方向の移動も認められた。これらの規則性から、南カムチャトカではM7.6以上の大地震が2008+-10年頃発生すると予想される。 5.ポナペ観測点の連続記録を圧縮フォーマットに変換してデータベースに登録する作業を行なった。ユーザへの公開は、ERIOSシステムを介して行なう予定である。インドネシア観測点のデータはデータベースに登録され、ERIOSシステムによりユーザが利用できるようになった。国内観測点の連続記録をメイルにより自動的にユーザに提供するAuto DRMシステムを導入した。これは、地下核実験の探知を目的とした国際共同計画であるGSETT3の一環として導入したものである。 6.ミクロネシア連邦ポンペイ島PATS観測点では、1993年3月以来観測壕と記録空間の信号ケーブルを宙づりして配線していたが、1995年12月信号ケーブルを地下に埋設した。その際、時折短絡などのトラブルのあった信号ケーブルを変換し、より信頼のおける連続観測を続けている。 7.韓国浦項観測点では、観測点近傍における電気工事により一時期データ収録が中断されたが、他に大きな故障もなく順調にデータを回収している。現地共同研究者からは現在のイベント収録システムから専用電話回線等によるリアルタイム連続データ収録システムへ切替えるように希望が出されており、今後システムを改良していく予定である。 8.上記の(1)ロシア,カメンスコエ観測点,(2)インドネシア,パラパット観測点,(6)ミクロネシア,ポンペイ観測点,(7)韓国,浦項観測点の4点の海外観測点は、平成8年度発足の新プログラム「海半球ネットワーク」に引き継がれ、観測が継続される予定である。 9.パラパット観測点では、昨年度恒温地震観測壕内に地震計を設置したが、それ以後かって見られたような長周期雑音が見られなくなった。以前は岩山の西斜面に設置してあり、雑音は午前10時から午後6時すぎまで見られた。設置位置の日照時間と良い相関があるので、日照に関連した温度変化が原因と結論される。
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